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千葉で過ごした一日・・・。


美味しい食材を求めて走り回るのはほとんど俺のライフワークというか「癖」のようになっているが、
今週もまさに「人」と「食いもん」を求めて、千葉の武山にある地産地消のイタリアンレストラン「牛丸」の
鈴木オーナーに会いに行ってきた。同じく水曜定休で、レストランは休み。食事こそ出来なかったが、
都心から高速使って車で1時間半。畑の真ん中にある一軒家のレストラン。テラス席から九十九里の防砂林が見渡せるほど、広々としたロケーションで、夏は絶対にテラスでうまいワインと料理で半日は楽しみたい感じの都会では考えられない環境である。

いつも知人の紹介でいろんな方と出会えるわけだが、今回この鈴木さんを紹介してくれたラシェット
の三木氏にもこの場で感謝しておこう。

人が人をつなぎ、また人へとつないでいく。この繰り返しが、ここ数年のうちに俺にエネルギーを吹き込み、
新たな挑戦へとチャレンジさせる。さらに活性もさせるわけ。パワーの源ね。

「牛丸」。イタリアンなレストランの名前にしてはちと和風だが、何やらオーナーの実家が酪農家で
このネームになったとか・・。鈴木さんはオーナーの旦那さんで、レストランのマネージャーも兼ねているらしい。
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レストランのキッチンから数秒の畑からオーダーが入るとシェフがねぎを引っこ抜きに飛んでくるんだって。さすがだね。



初めてお会いしたが、色々と親切に話をしていただき、その後、2件のチーズ工房にまで案内していただいた。
お休みの日に申し訳ない。
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今日はとりあえず仔鴨三羽と仔猪を頂いて帰り、今後の商談に入る。


ものすごい収穫があった。、ジビエや、夏には本州鹿が入るらしいし、今回非常においしい、北海道ワイン
にも出会うことが出来た。ケルナーを使った白やレンベルガー赤は、日本では甲州ものほどまだまだメジャーではないようだが美味しいし、これから人気がでてくるんじゃないか?ミネラル感が豊富で香りも良く野菜料理にも間違いなくあうワインだ。
わが店のリストにも近近に載るだろうクオリティーである。ここ数カ月で俺は日本のワインを多く調べるようになったし、生産者の方にもお会いした。ワインにおいてテロワールでうんちく語るんなら、日本食食ってる日本人が日本の食材で料理作るんだから、間違っても合わせるワインは日本のワインでしょっ!。が持論である。日本酒でもいい。
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Japanese Wine の非常に、いい特徴が出ている。赤もうまかった。これも商談するべし・・。

日本の土地と風土を、もう一度、ヨーロッパのそれと比較することよりも、真に向き合い、それに合った生産物や方法で唯一無二な日本食材を生んでいくほうが自然だろう。

その後鈴木さんと、車で移動し、かねてから興味のあった、国産チーズの工房を訪れることが出来た。
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工房に隣接する山を掘って貯蔵庫にしている。なるほど・・。赤ワインのウォッシュかぁ。  日本酒のウォッシュかぁ。 ジャポニゼかぁ。

これまで、広島では、チチヤス、最近だと岩手の小岩井や、うちの取引先である岩手の「松原牧場」などは見てきたし、しぼりたての生乳も飲んだが、チーズを作る現場は初めてではないか?
最初に行った、駒形さんは、もともと大手牛乳メーカーの開発プラントを手掛けていた職歴を生かし、ご高齢にもかかわらず日々、チーズを作り続け、それでも生産が追い付かないらしい。TVや雑誌で引っ張りだこのある意味有名な方らしい。
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駒形さんが「お遊びでつくった~~」とおっしゃっていた。”アシタバ”と”人参”を加えたチーズ。美味しいよ。
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語る・・・。語る・・・・。ひたすら語る・・・・。
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Japanese Chese Artisan ! Mr Komagata  チーズ一筋四〇年。!
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「多くの人たちに食べてもらいたい」と、塩分も控えめにし、優しい味に仕上がっているところも、さすが。
本場の味に近づけるために努力する意味がどこにある? 日本の日本人のための味わいがいいのよ。

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みんないい顔してるよね。 奥さまもご一緒に・・・。おじゃま様でした。ありがとうございました。



そのあと、アポなしであったため、ご主人が不在で、そのかわり親切に奥様に対応していただいた。五十川(いかがわ)さん。
こちらもご夫婦で、サラリーマン時代にスイスに長年転勤されていた経験から、退職後、千葉の山深いこの土地に居を構え、ジャージー牛をたった3頭大事に育てながら本当に美味しいチーズ少量を真心こめて作っている。こちらも生産が追い付かず1、~2か月待ちらしい。
もちろんオーダーを入れてきた。合わせて副産物であるバターは絶品で、若草を食べさせることから色は
菜花のような真っ黄色。公に販売出来ないそうなので
そこはいつもの「都志見節」でお願いしてきた。 うちのパンにつけたらさぞうまかろう。非常に楽しみに待つばかりである。
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続いて五十川(いかがわ)さんの工房へ・・・。 なんでも、もともと五十川サンは前記の駒形さんのところで学ばれたとか・・・。 ここでも人はつながってるんだよな。 面白い。




牛は昔、農耕に使われ人を助け、肉は食され、乳は美味しい牛乳などの乳製品に変わり、挙句の果ては、「口蹄疫」や「狂牛病」などで殺処分される。これほど、人間の生活に密着し貢献していながら本当に哀れで可哀そうな話である。
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”マダム イカガワ” すごく、素朴でかわいい人で、親切に色々とお話を聞かせてもらいました。ありがとうございました。次回はご主人にも是非お会いしたいですね~。




豚も同様、焼き肉やステーキ食べるときに、ひとときでも牛に対する感謝は忘れないようにしよう
と自分には言い聞かせた。

午前中に到着しほぼ半日は付き合っていただいた鈴木さんに大きな感謝をすると同時に、日本の美味しいもんは東京ではなく
地方にあることを再認識。さらに、日本の食を支える底力は、まだまだ衰えることなく、さらに進化し続けていくことを、
切に思う一日だった。

最後にチーズ工房の駒形さんに「後継者はいるのですか?」と質問したら「いません。」とただ一言。
質問したことに後悔も感じつつ、瞬間、時が止まり、その場にわずかな沈黙と、一筋の寂しい空気が流れて行くのを
感じたのは俺だけじゃないよな。きっと。


by seijitsushimi | 2011-01-22 22:38
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