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いざ ワイン特区 東御へvol.1

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恵まれた環境ですくすくと育つヴィラデストのシャルドネ


「死ぬまでに行きたい所、観たいものは観ておこう。」と40すぎたころから思うようになり、最近ではもっぱら関東近郊のワイナリーを尋ねる事が多くなった。 バイクならツーリング、車ならドライブ、田舎の美味しい空気を吸って、日常の環境を抜け出し、更に「美味しい人」と「美味しいワイン」との出会い、希少な蔵出しワインをお願いして出してもらえれば、店に持ち帰り、客に、土産話などとともに味わってもらう。
公私ともに、全てにおいて恰好の休日の過ごし方になってきている。

ヴィラデスト ガーデンファーム&ワイナリー。 ご存じの方も多いと思うが、玉村豊男氏の営むワイナリー&農園&レストランに先日足を運んだ。
有名人やら芸能人を決して先入観で誇大評価しない俺にとっては、当然、そういう理由でわざわざ足を運ぶわけではないが、先日知人のバーで、このヴィラデストのピノとシャルドネを口にした時に、結果として、玉村氏が経営するワイナリーの物だという事を知り、迷わず、すぐに出かけたいと思った。

数冊のガイドのデータをさらっと頭に入れて、いつものように朝7時に自宅を出た。
今回は、その後のリュードヴァンの小山さんの所と、出来れば野菜でお世話になっているアトリエノマドの池田さんの所にお邪魔する予定だ。(結果的に遅くなり、池田さんの所は断念したが)

駐車場に車を止め、約束の時間通りに到着出来た事にホッとして、期待に胸を膨らませながら、施設へと降りていく。
標高も7~800mほどあり、見渡せば東御の山々と自然の空気が、気持ちを更に高揚させてくれる。
休日に訪れる環境としては申し分ない。
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右が今回お世話になった広報の関氏 左がオーナーである玉村豊男氏 温かく出迎えてくれた。



アポを取る際に対応してくれた広報の関氏が温かく出迎えてくれ、「醸造長の小西がそろそろ畑から戻ります。」との事。
まずは施設や環境の素晴らしさ等々の話をしていると、自宅の方向から、玉村氏が降りてきた。
「TVで見る人だ。」と思いながら、それでも力まず、知らぬふりをして、「おはようございます。今日は宜しくお願いします。」と、挨拶をすると、本人も至って普通に自然に、笑顔で挨拶を返してくれた。「よくいらっしゃいました。」と。
その笑顔に、著名人の少々エラそうぶった所や、めんどくさそうな雰囲気を微塵も感じる事は無かった。

既に、本日の訪問がとても有意義なものになるだろうことは、その瞬間に確信した。
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醸造を担っている小西氏 親切に施設を案内してくれた。部屋には玉村氏の絵画がたくさん飾られている。 



何処を見ても手入れの行き届いた農園や施設。平日の朝であるから来客はこれからだろうが、土、日ともなるとかなり多くの方々が訪れるのだろう。ほどなくして小西さんが現れ、さっさく施設の中を案内してくれた。

玉村氏の職業の一つでもある絵画。(水彩画)が施設のあらゆる所に展示されてあり、訪れる客たちの目を楽しませる。

実に写実的な美しい絵である。

小西氏は本当に優しそうな、でもワイン作りには貪欲なまでのこだわりがありそうな感じ。
ガイドにもそのようなことが書かれていたように思うが、とにかく親しみやすく、好感度は大である。

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ワインの樽やタンクが置いてある醸造場の壁にも玉村氏のブドウの絵画が・・・。 


畑や施設を案内してもらい、いざ試飲。
やはり、わざわざ足を運ぶことのきっかけになった出来ばえである。
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地下のカーヴには当ワイナリーの初ヴィンテージである2002年ものが・・・。
「ゴックン・・。」
 


特別に小西氏に頼んで実際にボトルにラベルを張ってもらった。何とも想像に反してアナログ方式だったな。
ちと感動。
 



彼曰く、麻井宇介氏の最後の弟子らしい。
玉村氏とはワイナリーを立ち上げる以前からの付き合いで、いわば玉村氏のワインは
彼無くしてこれまでもこれからも出来えないということである。

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昔は日本酒を作っていたという栽培醸造責任者の小西氏 表情は優しそうだが優秀なワイン作りの腕は一流だ。 



人に会うと必ずや「将来の夢は?」「目標は?」と、人生においての到達点を伺うことが癖になっている
俺は、例にもれず小西氏に訪ねた。すると彼は
「独立は一切考えていない。 ここで玉村氏とともにワイン作りに励みたい」と語っていたのが印象的。

職人仕事の最終点には自分の城をかまえ名を世にはせる事を目標にする人々が多い気もするが、彼のように今の非常に恵まれた環境で、葡萄、ワイン作りに没頭しつつ、無意味に経済的リスクを取らず、社内で存在感を発揮していく道も、 多くのお金と時間を要する、ワイン作りに関しては立派な花道であろう。
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地下のカーヴにて一通り試飲させてもらったが、どれもレベルは高い。 



施設内のレストランで食事を済ませ「どうしても」とお願いしたピノ・ノアール(蔵にも数十本しか残ってないらしい)1本と、カベルネソーヴィニョン、シャルドネのトップキュヴェを頂いて玉村氏 関氏 最後に小西氏にお礼のあいさつをし、施設をあとにした。

帰京したのちに玉村氏にもメールをお送りしたが、環境や施設はもちろん 働く人々が作りだす温かさや優しさ、心配り、ゆっくりと流れていく時間の心地よさはまさに玉村氏の日頃のお人柄や指導のたまものであろう。

あらためて都会の拙速観や窮屈さ、などを今回の訪問でさらに再認識させられたし、少しの時間でも都会の喧騒を離れ、美味しいワインと温かい人々 そして自然の山々 美味しい空気を体中で感じることが出来た。
最後に記念撮影をし、見えなくなるまでお見送りしていただいたことが、「本当に来てよかった」という気持ちをさらに増幅させる。
照りつける太陽と試飲したワインのせいもあってか、気持ち「ポッ」と顔が熱くなっている。
「さて、お次に目指すはリュードヴァンの小山氏だ。」 
by seijitsushimi | 2011-06-17 17:56
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