美の意識・・・。

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NIPPON」と「World」。

先日の話。
2年ぶりに尾崎悟に会いたくて千葉の佐倉の森のアトリエに。

当時、無類の才能はあるのに売れない鍛金作家に私は、彼がまだ一度も作ったことのない
「食器」、それも店の顔であるウエルカムプレートの製作を依頼したのがまだ数年前。

細部まで綿密な打ち合わせをしながら、私の「想い」を伝え、
彼の「才能」と「技術」で出来上がった、まさにどれも
世界に一枚の作品。

でも依頼した理由は、もう一つあった。
「彼を助ける」ということ。
「経済的に」だ。

アトリエの家賃滞納や、電気が止まることもあったという。
横浜で暮らす奥様と2人の息子に仕送りをしながらの話だった。


作品を発注すれば少しでも彼の収入になる。

そして数年後の今、彼は毎年世界の4都市で開かれるアートギャラリーに

作品を出品し、1点約一千万の値が付く芸術家となった。

それもほぼ即売れ、さらに他国のギャラリストからのオファーもすでに多数来ているそうな。


アートの世界で1点1千万の意味が俺にはピンとこないが、
「凄い人」になったことには違いない。


世界には日本とは桁違いの富豪がたくさんいる。

でも、それよりも圧倒的な「美」に対する意識の違いをひしひしと感じる。


出会って間もなく彼の作品を見て、

「これは日本では理解できる人は少ないだろうな」

と思ったし、

「私は早い段階で、思い切って世界で評価してもらった方がいい」と、

一傍観者の立場で伝えてきた。


もちろん市場の規模の違いや先にも言ったように富裕度の違いもあるが、

まず何より「美意識」が違う。

これが 「NIPPON」と「WORLD」の意識の格差だ。

流行りに惑わされることなく、自分の感性でいいと思うものを買う。集める。

人が並んでいるのを見てツラれて並ぶ我々日本人のそれとは

大きく異なる感覚だろう。


私は日本が好きだし、誇れるところも多くある。

でも愛国主義者でもない。

決して欧米を迎合するつもりもないが、「主体性」とか「主観」という意味では

残念ながらそう感じざるを得ない。



やたら外国人の客に受けがいい私の料理ももしかする

と海外の方がもっと評価されるのかもね。

ここ何年もそう感じている。


尾崎悟と語りながら、

「くそ~、俺もいつか一皿1千万の料理を創りてぇな~」とニンマリと笑う。


でも、それも間違いなく日本ではないだろうね。

何故? 日本じゃ流行らないことやってるからね。(笑)

よろしく!

以上
by seijitsushimi | 2016-05-25 17:01
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