<   2011年 03月 ( 6 )   > この月の画像一覧

御案内。

前記のブログ「日本のワインが面白くなってきた。」に関連して、来る4月13日(水)銀座のマロニエゲート10F 「ミラヴィルインパクト」にて日本の優れたワインとこだわりの国産野菜料理のマリア―ジュ」と題したワイン会を行います。
日本人が作りだす秀逸なワインと料理を楽しみながら、ウンチク抜きの楽しい集いにしたいと考えていますので是非お早めにご連絡ください。もちろん都志見も参加いたします。

残り6席です。定員(12席)になり次第締め切らせていただきます。もちろん都志見も参加いたします。

詳しい御案内はこちらをご覧ください。

http://www.miravile.net/impact/t_event_wine_kai.htm
by seijitsushimi | 2011-03-31 15:12

日本のワインが面白くなってきた!

日本のワインは一般的に、「美味しくない」、「味が薄い」、「コスパが悪い」
、「アフター(余韻)がない」「種類が少ない」などと言いたい事を言われて来たように思う。

もちろんヨーロッパのワインに比べると歴史もまだ浅く、技術的にも、気候や土壌もワイン
に適さないなど数多くの問題も上げられる事は十分皆理解していると思う。

しかし、我々日本人は、本来、多く日本の土地で作られる作物を食べていても、
食事に合わせて飲まれるワインは、決まってフランスやイタリヤ、スペイン アメリカ等のものが圧倒的に多く、日本のワインを知る機会も、また、深く掘り下げて知ろうという気にもならなかったのも事実。

都志見は、以前から、もっと日本のワインを積極的に楽しむべきだと思って来たし、ここ最近、
日本の優れた生産者の方々の所へ足を運んで、(実際はまだまだ継続中だが)畑や圧搾、醸造からビン詰め工程を見せてもらうときに、例えばフランスの秀逸な生産者に負けない、日本人ならではの職人魂、ひとつの事に熱心に取り組むひたむきさ、几帳面さ、発想のユニークさなどを 充分うかがい知ることが出来た。

日本のワインの可能性については、今回あらゆる面でいろんなアドヴァイスを頂き、作り手の所にも何度か同行頂いた日本ワインのエキスパート、”いまでや”の小倉あづさ社長夫人と担当の小山良太氏ともこれまで語り続けてきた。

「少しずつ、日本のワインは見直されている。」「生産者たちもはるかに進化してきている。」

「とにかく飲んでみようよ。」

日本のワインの飲み方については、都志見から、とても重要なアドヴァイスがある。

「単体で飲むワインでは無い」という事。

単体で飲むワインとして日本のワインで、残念ながらフランスやイタリアなどと比べるわけにはいかない
だろう。

何かを食べながら楽しむことで200%のポテンシャルを発揮するワイン。

そもそもワインとは料理を食べながら楽しむアルコールである。

特に同じ日本の土地で育った作物がいい。野菜が特に合う。生でも茹でても、焼いても。

それぞれの調理法でのマリアージュを楽しめるのが日本のワインなのだ。


日本の土地で生えた牧草を食べて育った牛でも、豚でも、仔羊でもいい。
同じ「テロワール」だからこそなしえるまさに真のマリアージュだと思う。

例えばフランスのブルゴーニュ、ボルドーの白、赤、ロゼなどによく「合う食べ物」として、
たいていは「肉」や「魚介」だ。
確かに、フランスの豊かな土地でのびのび育ったシャロレの牛や、
シストロンのハーブ香のする香り高く旨みの強い仔羊、ブロンの牡蠣や、鉄分の多いブルゴーニュのエスカルゴなどは当然その土地で生まれるワインを合わせることに誰も否定はしない。

だが、日本の場合、どちらかと言うと、味が繊細で、淡泊。その代わりミネラル、ビタミンが豊富な野菜等、
には当然日本の淡い、和食の「出し」の様な上品な味わいのワインが合う。

魚介や肉類、にも同じ事が言える。

先日、あるイベント会場で来日していた、ご存じブルゴーニュで勢いのある作り手、
ドメーヌ アンヌ・グロのアンヌ本人と話す事が出来た。
女性とはいえ、とても強いワイン作りに対する
信念とこだわりを持っている作り手で、確かに極上のワインを毎年生み出している。

彼女に、都志見はある質問を投げかけてみた。

「日本のワインを飲んだ事があるか?例えば甲州とか、北海道とか。」
彼女は、目を丸くして即座に応えた。

「日本にワインは必要ないわ?、だってフランスに美味しいワインがいっぱいあるもの。!


「日本のワインは日本のワインならではの飲み方があっていいし、
ヨーロッパのワインと比べる方がナンセンスである。日本のワインの特性とタイプがあっていいし
日本の作物であるワインも、日本人ならもっと飲むべきである。

そうすることによって、コスパが悪い大きな要素である流通形態の不確立も改善され、もっと秀逸な日本ワインが安く飲めるようになり、更にはワインの就農希望者が増えることで、日本のワインがレベルアップされていく、いいスパイラルが起こっていく事は間違いない。

「TSU・SHI・MI]では、今、日本のワインリストを密かに準備している。

そこには天才と言われるほどの日本のワインの作り手たちが、少量しか作り得ない最高レベルの希少な限定
ワインを都志見の感性でセレクトした「日本ワインTOP10」とし、スパークリング、赤、白、そしてデザートワインと
目を疑うほどのラインナップで、近々に紹介できるだろう。

「日本のワインが面白くなってきた。!」

”日本のワインを単体で飲み比べて、まだまだだなぁと感じる者は、日本人として日本のワインの飲み方を知らない事に恥を知るべきである。”

試すといい。掘りたての日本の大根をかじりながら、ジャパニーズ職人が生み出すジャパニーズワインを。

間違いなく、気がつけば日本のワインを飲んでいる事さえ忘れてしまうほど美味いから・・。
by seijitsushimi | 2011-03-30 22:46

悲しみ・・・。

3月22日。朝、岩手山のふもとで暮らす知人から間接的に連絡があった。
「松原さんの奥さんのご家族が陸前高田でご遺体で発見されたらしい。」と。
b0206074_2225886.jpg



松原さんと言えば、ミラヴィル時代から岩手県の雫石の方から沢山の食材、特に野菜を
送って貰っている事でとても世話になっている。HPの「TSUSHIMIを支える職人たち」にも
紹介しているいわゆる「要」の1人である。現在は、酪農をやられている兄弟から生乳を
送って貰ったり、パンで使っている”ヒメノモチ”(もち粉)も彼のコーディネートによるものだ。

今回の東北地震後も数日は連絡が一切とれず、数日後に電話を貰った時に、無事は確認していた。
しかし、奥さんのご家族が、最も被害の多かった陸前高田におられて未だ連絡が取れない事は聞いていた。

それ以来、心配しつつも余りのこちらとの状況が違う事を考え、こちらからの連絡は遠慮していた
から余計に今朝の訃報は残念で仕方がない。
<ご遺体は車の中で見つかったらしい・・・・。>
奥さんにはおなかに赤ちゃんがおり、この7月に出産予定である事がなおさら悲しみに追い打ちをかける。
結婚して久しいが初めてのお子様。

多くに方々が犠牲となり更に未だに行方の分からない方が既に数万と言われるほど、とてつもなく大きな
災害となった今回の地震は、日本中が悲しみ、涙を流している。

俺には、これまで幸いにも知人や、自分との関係者にも犠牲者がいなかった事が、なおさら
今回の訃報でこの災害がリアルに現実味を帯びてくる。
誰のせいではないが、もう2度と味わいたくない。

明日、松原さんに連絡してみよう。
そして一日も早く、また以前の様な元気いっぱいの東北野菜を
送って貰えるようにお願いしよう。

被災者に対して出来る事は何もないが、まだ見つからない方達が1人でも
多く見つかるように、被災した方々が一日も早く元の安心して暮らせる環境が整うように
祈るしかないし、いつもそれを祈っている。
by seijitsushimi | 2011-03-22 22:29

今回の地震。

東北地方や関東、その他近郊で、今回の地震災害による被害者の方々には
心よりお見舞いを申し上げると同時に、犠牲となり命を落とされた多くの方々には
ご冥福を祈りたい。

メディアを通じて感じる地震は当然実感は伴わないが、今回はさすがにこの世も終りか?と無意識に思ったくらい
大きなものだった。営業中だった俺は、メインの料理を出し終わった直後、いつもと様子が違う揺れ方に驚き
、客とスタッフと共に一目散に外に出る。周りの商店やマンションからも多くの人たちが
出てきて、それは不安そうな面持ちで、空や周りを静観している。だが、自然は容赦なくさらに激しい揺れを
それもかなりの時間、我々にもたらした。震源がどこであれ、「これは今世紀まれにみるおおごとになっているな」
と呟きながら、一段落したところで、客を再び中に入れ、BGMをラジオに切り替え情報収集をしていった。

時間がたち、詳細が明らかになるにつれ、今回の天災は、明治時代以来の大変希な規模であったらしい。
犠牲者も計り知れないだろう。津波も来れば更にえらいことになることは想像がついた。

地殻変動であるから、地上で人間どもが起こす作為的な自然への冒とくが原因で起きたとは考えにくいのだろうが、
やはりこういう自然災が起こるたびに、「人類に対するなんらかの警告では?」であったり、下手をすると「自然をなめとるから、ばちがあたったのでは?」という解釈をしてしまいがちである。

科学は進歩し、交通は便利になろうが、この地震であっという間に携帯と店の電話は不通になりそのうちメールも。

店の前の淡島通りでは、車は路上で動けなくなり、歩道では、これまで見たことのない”民族の大移動”さながらに、寸断した交通機関が原因で徒歩で数時間かけて家路に向かうサラリーマンやOLが列を作って歩いている。

いつもながら災害時の都会のインフラの「もろ過ぎ」さが露呈された。


とりあえず俺も家族も友人も知人も、無事でよかったことを喜ぶしかないが、「死んでいてもともと」と考えれば
やはり、人のために何かをするとか、世の中のために頑張ってみるとか、
これまで勇気がなかったり億劫になって出来なかったことも、
今回とりあえず命をもらったことに感謝が出来れば、なんだって出来るし、
それこそもっと積極的に頑張らねばいけないのではないかと感じた今回の体験だった。

今後、被災地の復興をしていく大変さは、昨日のすさまじい自然がもたらした爪痕を映像で見れば
想像を超えるが、俺自身が何をするわけでもなく、出来るわけでもなく、とにかく早い時期の復興をただただ
祈るほかない。
by seijitsushimi | 2011-03-12 16:13

「春山鬼」・・・・。その3

まるで化け物の触角のごとく、とてもこの世のいきものとは思えない様なこの形状の物を
土の中から掘り上げるにはさぞ細かい神経と時間を費やした事が想像出来る。

その尾崎悟は、電話で、自分なりの上等な食しかたを明かしてくれた。
まず、
・干しシイタケと昆布で上質のだしをとる。
・すり鉢で掘りたての自然薯を皮ごとすり、更によく練り、とろろにする。
・出来たとろろを用意しただしで伸ばし、ゆでたてのパスタに絡め、醤油を少々たらして熱いうちに食べる。・・・。である。
生唾を飲むほど美味そうである。天才彫刻家は天才料理人にもなりうるのである。

このとれたての”怪物”をそもそもうちに送ってくれた理由は、先日のブログ「全く「面白い話」のない今日この頃」
http://tsushimi.exblog.jp/14909073/
を見て、これを送る事を思いついた彼は、シャレやユーモアの分野でもグランプリもんである。

彼はこの掘り当てた”怪物自然薯”に「春 山 鬼」と名付けた。
それにこたえたかった俺は、思わずこういう写真をお返しするしかない。
b0206074_8182496.jpg



終わり。
by seijitsushimi | 2011-03-03 08:19

「春山鬼」・・・・。その2

食材としての「自然薯」ではなくこれは美術としての自然の「薯」である。
天才彫刻家が掘り当てたアートなのだ。
っていうか、俺はこの尾崎悟という人間に初めて会ったときにいわゆる、「自然人」
という印象があった。山深くにある工房もそうだが、庭先に放飼いしている産みたての卵を
食ってみたり、秋には落ちた栗を拾って焼いて食ったり・・・。
都会では考えられないし、都会人には到底出来る芸当ではない。
だから、彼が電話で話していた「11月位にイモ弦にたわわる、むかごをとってはむかごご飯にして、
そのイモ弦をたどり、地中に潜るポイントにしるしをつけて、年を超し、2月位にそのしるしをつけた真下を掘っていくと、そこには自然の山の滋養をいっぱいに吸収した自然薯がこれみよがしに実っているんですよ。」そうな。
「なるほど。」自分は 料理人とはいえ、自然薯専門店の主人ではないので、正直、自分で自然薯を掘った事もなければ、取り立てをむかごご飯にして、その場で薯をすって「とろろ」にして食った経験もない。(来年は尾崎さんの山に自然薯掘りの計画も勝手に密か企ててはいるが・・・。)

字のごとく自然の産物である事が大原則であるがゆえ、美味さと栄養は市販の「山芋」のたぐいとは比較にならない。自分で掘らない限りには、わざわざ市場で仕入れて料理で出すほど安価でもない。
調べると、自然薯の健康効果は絶大で、古来より精のつく滋養強壮食として一般に用いられてきた他、
漢方薬でも“山薬”“じょよ”と称し珍重されてきたらしい。さらに最近になって自然薯にだけ含まれるディオスゲニンと言う物質が、若さの維持やホルモンバランスに関係しているDHEAを増やす役割があるという、まさに天の恵みの様な「天菜」である。

つづく・・・。
by seijitsushimi | 2011-03-02 07:04