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今度は勝沼・・・。

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勝沼醸造の看板 ラベルにも使われている模様はポルトガル風の文字とデザインらしい。

今回は山梨の勝沼で一軒、そして更に足を延ばして長野の塩尻でもう一軒という少々ハード?なスケジュールで出かけてみた。
距離で言うと、勝沼から、東京ー勝沼間と同じくらいをひた走ることになる。

常に運転手は俺で、俺さえOKであれば問題ないのだが、先方の迷惑だけが気になる。

まずは、勝沼醸造。 歴史のある老舗である。もともと製糸業だった所から飲料を扱うようになり現在のワイナリーへと変遷してきた歴史がある。
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今回お世話になった平山専務さん


対応してくれたのは専務の平山さん。もともと大手メーカーのメルシャンで25年のキャリアをもつワイン作りのエキスパート。
話によると自分の手でこの勝沼で、土着品種である「甲州」に特化したワイン作りをしたくて,
アクティブに大手からこの中小へと移籍してきたらしい。
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俺もどちらかというと熱いほうだが平山さんも更に熱い。


到着後、午後の予定もありエンドがだいたい決まっているので、すぐさま勝醸自慢のテラスへと案内され、自社の畑を目の前にして平山氏の熱い話が始まった。顔の表情、身振り手振りで、彼のワイン作りへの、また勝沼醸造への
深い愛着と情熱がビシビシと伝わってくる。

それから畑へ。「すでに植えてったヨーロッパ系のヴィニフェラ種をすべて引き抜き全部「甲州種」に植え替えていきたい」と、かなり、大胆で思い切った構想を描いているらしいし、すでに実践している。
ご存じ、山梨の勝沼といえば多くのワイナリーが散在しているが、自社畑から出来るワインのほとんどが、この「甲州種」から出来る白ワインである。赤ともなるとごくわずかで、それも原料のブドウは長野や他県から買って醸造しているのが現状である。
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これは数少ない勝沼醸造の自社畑で育てるメルロ 


逆に言うと、この「甲州種」は、この勝沼の気候風土や土壌に最も適しており、それゆえに他県のそのものを近づけない優秀な白ワインを算出していることになる。


平山氏も、その特性を生かし、世界に通用する甲州ワインを作りだすことを目標に日々努力されている。
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勝沼醸造のユニークな試み 葡萄の畑と栽培家の名前をラベルに掲げリリースしている。 


試飲もさすがに白ばかり。赤も飲んでみたいなぁと思いつつ、それほどまでに白ワインに、「甲州種」にこだわる氏の、そして勝沼醸造のポリシーが伝わってくる。(でもやっぱり赤も飲みたかった。)

蔵元を離れ、車で10分ほど移動し、実際に醸造される工場へと案内してもらった。
そこはアサヒビールの元工場らしく、規模も設備も環境もとても素晴らしいものだった。

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巨大で近代的、衛生的な醸造所内部。すべて含め8千万で買い取ったそうだ。言っちゃまずかった? 


発酵途中の「甲州」を タンクから直接飲ませてもらったり(炭酸ガスが出ておりそれはそれは美味しいし興味深い味わいだ。)
熟成途中の単一村名ブランドのそれも、樽から直接頂けた。皆が一瞬言葉を失うほど旨かった。


ただ、これだけの工場で、総勢4人でこなす仕事は、さぞたいへんであり、ビジネスとしてのワイン作りのシビアさなどは、どこに行っても共通して言えることであろう。
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微生物研究室? このたぐいの施設はこれまで見たことないな。 


最後に車で再び移動した先は、「イセハラ」地区にある葡萄畑。ここは俺個人的にも非常に見ておきたかった場所である。

ここの畑で持ち主の風間さんの育てる葡萄から出来るワインは他のものとは一線を画すものである。
原因や理由は平山氏自身もいまだ解明できていないという、まさに興味津津の畑である。

おそらくという話に過ぎないが、この土地は、少し掘ると石ころがゴロゴロと出てくる。確かに周りを見てもあちこちに掘り出された石ころが積み上げてあるところが目につく。

この石ころが葡萄の生育に何かしらの影響を与え、独自の成分を生成しているのではないか?
さらに興味深いことに、平山氏いわく、葡萄のままでは味は他のものと比べて何ら変わらない。
ワインにするとその違いが出てくるというのだ。実に面白いし魅かれる話である。
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風間氏が大事に育てるイセハラの畑。どこの何が違うのか・・・。 


本店でもオンリストされている”アルガブランカ イセハラ”はもし、目に止まれば一本オーダーしてほしい。さらには他の甲州ワインと比較するのもいいかもしれない。人気商品であり、数量も限定されているので、飲みたくてもなかなか入手が困難なのも事実である。

そのあとの塩尻までの道のりと時間を考えて、平山氏にも気を遣っていただき、駆け足で色々と話を聞かせてもらったことに心から感謝したい。

隔月でやっている銀座のミラヴィルインパクトでのワイナリーを呼んでのワイン会にも
精力的に参加してもらえるそうだ。その時は是非勝醸さんの赤も出してほしいわけだが、日本酒の杜氏と親交の深いこともあり、「日本酒の蔵元も一緒に連れていきますよ」と威勢のいい一言を頂いた。

情熱にユニークさを兼ね備えた平山専務には今回の勝沼訪問を非常に印象付けてもらうことが出来たし、さらに今後がますます楽しみな人物である。
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木の足元には、まかれた除草剤がもたらす結果がくっきりとわかる。何か不気味な感じさえした。 




最後に目から焼きついて離れない光景がある。イセハラの畑の隣に桃の木が実をつけ始めていたが、
木の足元にくっきりと除草剤を散布したあとが目に飛び込んだ。平山氏も顔をゆがめながら、「雑草に生気を感じないでしょう」と。
作業の効率化や害虫から作物を守ることは理解できたとしてもこの木になる桃は間違っても口にはしたくないね。

以上。
by seijitsushimi | 2011-06-30 00:08

いざ、東御市ワイン特区へ  vol.2

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この看板、フランスのブルゴーニュのニュイ・サン・ジョルジュ辺りっぽくていいなぁ。 


ヴィラデストで豊かな自然と恵まれた環境に触れ そして美味しいワインを頂き、温かい人たちに見送られて
さて次は同市内にあるRue de Vin (リュード ヴァン)へ足を運ぶ。車でわずか10分ほどの近距離である。
昨年まで、醸造をヴィラデストの施設を使用していたことが、この距離を見れば納得できる。

代表の小山氏はもともと電気関係の企業に勤めるサラリーマンで、脱サラし、この東御に
移り住み自力で出資者を募り、ものの見事に理想的なワイナリーを数年で立ち上げた優れた起業家であり実力者でもあるワイナリーである。
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代表の小山さん。 山の風景がどことなく絵になる人だなぁ。 


この地がワイン特区に指定されるまでの道のりは容易なものではなく多大な尽力をされたそうだ。

先日銀座で行われたイベントであいさつすることができ、たまたま翌々日にヴィラデストとアポイントを取っていたので、お忙しい中、無理を言って立ち寄らせていただいた。

昨今の日本ワインブームで一般の方々もワイナリーを訪れることが多くなっている。
我々はお邪魔するほうであり、訪れる側は初めてで、いい気分なのだが、受け入れるほうは常に同じ対応に追われることになり、決して楽ではないだろう。
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どれも新しくて気持ちいいね。これから美味しいワインが醸されていく。石元君、起きているかい? 

まあ収穫時などとんでもない忙しい時期には当然断られるが、
ある意味 酒販店、レストラン関係者、一般消費者などが主力の顧客であるからには、
訪問客への対応は大事な営業活動になるので致し方ないのかも・・。

午後からの訪問になり、そのあとの佐久の契約農家へ立ち寄りたい気持ちもあったので、
簡単にといえば語弊があるが、少しお話でも聞かせてもらえればというつもりだった。


小山氏は、同じワイン作りを職業としている人間でも前記のヴィラデストの小西氏とは全く違うタイプでおなかのプックリと出た(自分も人のことは言えないが)がんこ職人タイプ。さらに自信家でもある。

ワイナリーを立ち上げるまでに至った経緯や資金調達の苦労。フランスのワイナリーでの醸造体験などなど熱い口調で語ってくれた。

結果として、思わず話が弾み、山の頂上の畑まで案内してもらうフルコースとなったのはかえって幸運だった。

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男が二人。「仕事」を語る。 


「作られたモノはそれを作ったヒトの写し鏡である。」
情熱のある人の作るものからはもちろん情熱が伝わるし
可能な限りの努力をした人が作ったものからはその努力の結果がうかがえるものとなる。
当然逆も言える。

特に常に自然と向き合っている農業家は如実にそれが出ると思う。 一番に興味があるのは、その努力の結果素晴らしい農作物を作る「人間」である

たとえば、自分は農家と契約をするときに対象は野菜ではない。「人」と契約するのだ。そう、信頼関係である。野菜も葡萄も自然を相手にするもの。

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Rue de Vin の畑。 日照時間も長く朝夜の気温の高低差も・・。水はけも良い。まさに適地だ。 


気象条件や自然災害などが原因で出来不出来なんてあって当たり前。
でもその人間との信頼関係があれば、いつかはまたさらに素晴らしいものを作りだしてくれる。
この関係が大事なのである。

だから美味しいワインに出会ったときに、酒屋にワインを探しにいかず、蔵元までその「人」に会いに行くのだ。

小山氏も実にそう思わせてくれる人。彼の言葉の節々からほとばしる自信のある言葉がさらにそれを裏づける。


最初の立ち話が、椅子に座り、ひきたてのうまいコーヒーを入れてもらい彼の歴史や日本のワインの現状について語る。

こんにちまで至るのにすべて順風満帆なはずはない。その結果かどうかに根拠はないが、
ワイン作りに没頭するあまり、いまだ独身であることからも彼のワインに対する熱意は十分伝わってくる。


時間もあっという間に過ぎていき、せっかくだから畑を見せてもらうことに・・・。

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ワインの濾過システム。よく出来てるね。 小山さんが楽しそうに説明してくれた。 


その前に、このたびすべて新たに導入、建設された醸造施設を拝見した。陽がさしこむ明るい醸造場にしたい、と色々と工夫され研究し尽くされた近代的な施設だ。来年リリースされるキュヴェからいよいよ本格的にワイナリーとしての業が始動する。

非常に楽しみだ。 もともと小山氏の作るワインは氏の醸造技術による完成度の
高さが大きく影響し、とても秀逸な味に仕上がっているのに加え、後に見せてもらった立地的にも
気候、風土、土壌的にも大変恵まれた山の斜面に見事なまでに美しく植えこまれた数々のヴィニフェラ種の出来栄えを想像すればさらに今後グレードアップしていくに違いない。

ピノノワールでスパークリングを作り、それをトップクラスのキュヴェとし、既存のワインの価格を少し抑えることで、Rue de Vin のワインをもっともっとたくさんの人々に飲んでほしいと畑で語っていた小山氏の姿が今でも脳裏に浮かぶ。
(あれ?しゃべっちゃまずかった?)

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小山氏の代表キュヴェ 「ソーヴィニョンブラン」。 絶え間なく雑草が刈られている。 


畑から降りるともうあたりは陽が陰ってきて これからだと佐久のアトリエノマドに寄るには迷惑すぎると判断。東京へと戻ることにした。

一度はサラリーマンを経験した小山氏が第2の人生として葡萄を育て、ワインを作る人生に方向転換し、当然苦労はあったであろうが、今のところ、とてもうまくいっているし、これからの展望も明るい。
だから一日も早く人生のよい伴侶を見つけてさらに人生を謳歌していただきたいと、いつものように「余計なお世話」を焼いている自分がいた。
by seijitsushimi | 2011-06-19 23:28

いざ ワイン特区 東御へvol.1

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恵まれた環境ですくすくと育つヴィラデストのシャルドネ


「死ぬまでに行きたい所、観たいものは観ておこう。」と40すぎたころから思うようになり、最近ではもっぱら関東近郊のワイナリーを尋ねる事が多くなった。 バイクならツーリング、車ならドライブ、田舎の美味しい空気を吸って、日常の環境を抜け出し、更に「美味しい人」と「美味しいワイン」との出会い、希少な蔵出しワインをお願いして出してもらえれば、店に持ち帰り、客に、土産話などとともに味わってもらう。
公私ともに、全てにおいて恰好の休日の過ごし方になってきている。

ヴィラデスト ガーデンファーム&ワイナリー。 ご存じの方も多いと思うが、玉村豊男氏の営むワイナリー&農園&レストランに先日足を運んだ。
有名人やら芸能人を決して先入観で誇大評価しない俺にとっては、当然、そういう理由でわざわざ足を運ぶわけではないが、先日知人のバーで、このヴィラデストのピノとシャルドネを口にした時に、結果として、玉村氏が経営するワイナリーの物だという事を知り、迷わず、すぐに出かけたいと思った。

数冊のガイドのデータをさらっと頭に入れて、いつものように朝7時に自宅を出た。
今回は、その後のリュードヴァンの小山さんの所と、出来れば野菜でお世話になっているアトリエノマドの池田さんの所にお邪魔する予定だ。(結果的に遅くなり、池田さんの所は断念したが)

駐車場に車を止め、約束の時間通りに到着出来た事にホッとして、期待に胸を膨らませながら、施設へと降りていく。
標高も7~800mほどあり、見渡せば東御の山々と自然の空気が、気持ちを更に高揚させてくれる。
休日に訪れる環境としては申し分ない。
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右が今回お世話になった広報の関氏 左がオーナーである玉村豊男氏 温かく出迎えてくれた。



アポを取る際に対応してくれた広報の関氏が温かく出迎えてくれ、「醸造長の小西がそろそろ畑から戻ります。」との事。
まずは施設や環境の素晴らしさ等々の話をしていると、自宅の方向から、玉村氏が降りてきた。
「TVで見る人だ。」と思いながら、それでも力まず、知らぬふりをして、「おはようございます。今日は宜しくお願いします。」と、挨拶をすると、本人も至って普通に自然に、笑顔で挨拶を返してくれた。「よくいらっしゃいました。」と。
その笑顔に、著名人の少々エラそうぶった所や、めんどくさそうな雰囲気を微塵も感じる事は無かった。

既に、本日の訪問がとても有意義なものになるだろうことは、その瞬間に確信した。
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醸造を担っている小西氏 親切に施設を案内してくれた。部屋には玉村氏の絵画がたくさん飾られている。 



何処を見ても手入れの行き届いた農園や施設。平日の朝であるから来客はこれからだろうが、土、日ともなるとかなり多くの方々が訪れるのだろう。ほどなくして小西さんが現れ、さっさく施設の中を案内してくれた。

玉村氏の職業の一つでもある絵画。(水彩画)が施設のあらゆる所に展示されてあり、訪れる客たちの目を楽しませる。

実に写実的な美しい絵である。

小西氏は本当に優しそうな、でもワイン作りには貪欲なまでのこだわりがありそうな感じ。
ガイドにもそのようなことが書かれていたように思うが、とにかく親しみやすく、好感度は大である。

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ワインの樽やタンクが置いてある醸造場の壁にも玉村氏のブドウの絵画が・・・。 


畑や施設を案内してもらい、いざ試飲。
やはり、わざわざ足を運ぶことのきっかけになった出来ばえである。
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地下のカーヴには当ワイナリーの初ヴィンテージである2002年ものが・・・。
「ゴックン・・。」
 


特別に小西氏に頼んで実際にボトルにラベルを張ってもらった。何とも想像に反してアナログ方式だったな。
ちと感動。
 



彼曰く、麻井宇介氏の最後の弟子らしい。
玉村氏とはワイナリーを立ち上げる以前からの付き合いで、いわば玉村氏のワインは
彼無くしてこれまでもこれからも出来えないということである。

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昔は日本酒を作っていたという栽培醸造責任者の小西氏 表情は優しそうだが優秀なワイン作りの腕は一流だ。 



人に会うと必ずや「将来の夢は?」「目標は?」と、人生においての到達点を伺うことが癖になっている
俺は、例にもれず小西氏に訪ねた。すると彼は
「独立は一切考えていない。 ここで玉村氏とともにワイン作りに励みたい」と語っていたのが印象的。

職人仕事の最終点には自分の城をかまえ名を世にはせる事を目標にする人々が多い気もするが、彼のように今の非常に恵まれた環境で、葡萄、ワイン作りに没頭しつつ、無意味に経済的リスクを取らず、社内で存在感を発揮していく道も、 多くのお金と時間を要する、ワイン作りに関しては立派な花道であろう。
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地下のカーヴにて一通り試飲させてもらったが、どれもレベルは高い。 



施設内のレストランで食事を済ませ「どうしても」とお願いしたピノ・ノアール(蔵にも数十本しか残ってないらしい)1本と、カベルネソーヴィニョン、シャルドネのトップキュヴェを頂いて玉村氏 関氏 最後に小西氏にお礼のあいさつをし、施設をあとにした。

帰京したのちに玉村氏にもメールをお送りしたが、環境や施設はもちろん 働く人々が作りだす温かさや優しさ、心配り、ゆっくりと流れていく時間の心地よさはまさに玉村氏の日頃のお人柄や指導のたまものであろう。

あらためて都会の拙速観や窮屈さ、などを今回の訪問でさらに再認識させられたし、少しの時間でも都会の喧騒を離れ、美味しいワインと温かい人々 そして自然の山々 美味しい空気を体中で感じることが出来た。
最後に記念撮影をし、見えなくなるまでお見送りしていただいたことが、「本当に来てよかった」という気持ちをさらに増幅させる。
照りつける太陽と試飲したワインのせいもあってか、気持ち「ポッ」と顔が熱くなっている。
「さて、お次に目指すはリュードヴァンの小山氏だ。」 
by seijitsushimi | 2011-06-17 17:56

堕ちた政治家と無気力な国民

今回の東北の震災、そして福島の原発事故。日本というこの国の歴史において、世界大戦で唯一原爆を投下され
て被爆国になった大事以来の大事ではないか? そして皮肉にもその間の平穏無事な(もちろん国を挙げての努力
もあってのことであるが)
時間の中で、恵まれた経済状況や世界のどこかで戦争が起きても、被爆国であるから軍隊をもたないという憲法に
記されていることだけを大義名分に、連合国軍に参戦することなく、経済大国という肩書を武器に、
血も汗も涙も流さず金の力だけを誇示し、表向きは社会平和に大きく貢献している優秀な実力国かのごとく
態度を取り続けた生ぬるい国質が、今の低俗でモラルを失ってしまった政治家たちを増殖してしまっていることに
気付かされ、俺は嘆き悲しんでいる

先日TVの報道で、福島の酪農家の男性が被災前に借金をして建てた新築の牛舎で首をつって死んだ。
原因はもちろんこのたびの原発事故による被害で、牛乳の出荷停止となり、
生活の糧である大切な乳牛を借金の返済等のために手放さなければならなくなり、それによって将来を悲観したのだ。


今後こういう自殺者が増えていくだろう。
いまだ避難所で暮らしている多くの被災者たちは、いつかはそれぞれが自立して生きてゆかなければならない。
大切な家族を亡くし、一家の大黒柱を失い、経済力も失い、仕事にも就けず、悲観してしまうと「死ぬほうが楽だ」と考えるほうがごくフツーの発想になろう。 それほど今、「平時」ではないことは当事者でない我々にとっても明らかだ。


被災した各自治体も被災者であり、限られた人数の職員たちで毎日復興に向けて努力している姿、
また国が動いてくれないことや、従来の条例や規制に阻まれ、思うように進まないことがさらなる
復興の足かせにもなっていることは報道でも頻繁に目にする。

そうした場合、被災しなかった東京にいる国民のリーダーである政治家たちは一人でも多くの被災した国民の命を救うべく方法と手段を考え、行動を起こさなければならないし、これこそが政治をつかさどる政治家の仕事ではないか?

昨日も補正予算案を通す、通さない、リーダーを降ろす、維持する、で相変わらず永田町ではおやじどもが与野党間で政局をやっている。
さらには党内部での分裂、なんて事態も起きている。
政治のトップである総理大臣に至っては、カメラが廻っていることも知りながら、マイクをもってニコニコ笑いながら被災者にとってはまさに「生きるか死ぬか」の問題を 我が首相の座を維持したいがばかりに熱弁しているシーンを見るたびに
憤りや滑稽を通り越して吐き気さえしてくる。


海外メディアの目からは一体どのように写っているのか?
世界中の人々が日本を想い、心を痛め、心配し、助けてくれている。
先日もデンマークの皇太子が、被災地に足を運んだ。皇室レベルでははじめてらしいが、
新たに義援金を被災者あ側に直接手渡したそうだ。理由は政府や団体経由では余りにもスピード感が無いから。
最もな話である。

数日前の朝の番組で、みのもんた氏が紹介してた。自分が被災地に入ったときに
直接被災者に言われた言葉が印象的で今でも心に重くのしかかると。
「みのさん。 今度の災害がもし東京で起きていたら、もうがれきはきれいに撤去されているよな。」と。

無能な政治家たちは、もちろんだが、結局のところ我々被災しなかった国民たちも、口々に今の政治批判やもっともらしい正論を決して語気を強めることなく語ってはいるが、
当事者意識が無いのである。「対岸の火事場」なのである。
政治家も東京の我が家が瓦礫になれば真っ先に政治を動かし法を動かし、重機を入れ撤去作業に入るに違いない。

もしかすると、政治家の多くが戦争体験が無く、助け合って生きることを経験から学べてないのが理由かもしれない。
特に都会では「個」としての生活体系が主流になり欧米化、デジタル化され、集団意識や助け合いの精神、隣近所のコミュニティーなど、時代とともに希薄になって来ているように思う。

皮肉にも今回被災した東北の方々は、昔ながらの日本人的な控えめで、優しく、思いやり、近隣との深いきずなやつながりが、いまだ残っている昔の日本的社会の多い地域なのである。


昨日、ギリシャの首都アテネで再び国民の大規模なデモが暴動になり多くのけが人が出た。
周知である財政難のもと、首相が政府の緊縮政策を議会と国民に受け入れさせるため内閣改造を表明した事に抗議し、反対する国民が一致団結立ち上がるわけである。
手段が暴力であることは間違っていても、逆に考えると、そうなってしまうほどに深刻な問題ではないかと考えるほうが現実ではないか?


この非常時において我が国の政治が間違っていると個々に口々に言うだけで、結局当事者でないことで東北 福島が、いわゆる「対岸」となり 国民の力で政治を変えていこうなどというアクションはこの国の国民には、まるで出来ないし、発想もないのである。
自分さえよければいい。人の痛みをうわべでしか理解できない、しようとしない無気力で、非生産的な国民にいつから成り下がってしまったのか。

諸外国から有り余る善意の気持ちをありがたく受け取りながらも、
アホな政治家どもは、その気持ちに恥じぬよう被災当事国のリーダーとして国民の気持ちを一つにまとめ、一致団結し、政治力で迅速な復旧、復興に取り組むどころか、この狭い島国で、なん時も我欲に支配されるがままの茶番政治を
日々繰り返す事は是非ともお辞めいただきたい。
一人の国民の いや多くの国民の切なる願いです。

日本の国の将来を悲観する前に、これを機会に政治のリーダーは国民の直接選挙で
選ばれるべきであり、そうすることで政治家も国民も、さらに国政に対し責任をもつようになり
政治意識も高まって行けることに気がつかなくてはいけない。
そして国民一人一人も本当に我が国の将来を真剣に考えるならば 一致団結し国民が政治を動かすほどの気力と行動力とをもって取り組まなくてはいけない。
これまでが世界に誇れるスーパー平和でハッピーな国家だったのだから・・・。
やるときゃやらなきゃ。・・・。ね。
by seijitsushimi | 2011-06-16 15:49

日本ワインガイド 出版記念パーティー・・・。

通算8年間にわたる取材や調査の集大成。ライターの鹿取みゆきさんがこのたび「日本ワインガイド」なる
ガイド的書籍を出版し、その記念パーティーが先週の日曜日、銀座のグレープガンボで行われた。
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本を最初に開いたときに一番に感じたことは、「本気」である。
ある意味、ワインライター人生をかけて制作した一冊であるというオーラみたいなものが1ページ1ページ
から伝わってくる。

本人から直々に電話をもらい、ランチが終わるやいなや、飛んで出かけたら、約3:30。
ものすごい人数の人たちが店の外、中にあふれかえっている。それぞれが片手にグラスをもち、
数十名集まった全国のワイナリー、それも輸入原料を一切使わない「純国産」ワインの優秀な作り手ばかり。
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勝山氏。さすがにお疲れの様子(笑)お邪魔しました。 


余りの人ごみに、気になる作り手のものを数種類テイスティングをしたのちに、会場のオーナーの勝山氏に幾人かの作り手さんを紹介してもらう。

それぞれが、まだ若い作り手が多く、昨今の日本のワインブームの空気も手伝ってか、
ものすごいワインに対するモチベーションの高さと熱意を感じる。
ファンにとってはまさにスーパーヒーロー(ヒロイン)なのだ。

最後に香取さんとも挨拶をすませ、その後の銀座のわが店での打ち合わせもあり
、1時間ほどで、会場を後にした。
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ブルギニョンの菊っつぁんも、ヴァンクールの池谷さんも来てました。 

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幹部が集まり、来週のイベントの打ち合わせ 


私のお気に入りのワイナリーでもある奥野田ワインの中村ご夫妻が立ち寄ってくれた。
さすがにその日はワインは飲みたく無いらしく(笑)、洋物のスピリッツを注文された。
奥さまが都内のワインセミナーに参加されているらしく今回はそれを兼ねての上京らしい。
店前の私の自筆のポスターにいたく感動していただいたのは非常にうれしい。
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中村御夫妻。 お疲れのところわざわざお越しいただいてありがとうございました。 


自身のブログがなんかワイン好きが綴るご自慢ワインブログのようになってきたほど(そうするつもりも、気もないのだが)
日本のワインは盛り上がってきている雰囲気はある。
これが東北での震災がさらにこの現象に拍車をかけているのだろうが、いずれにせよ、日本人の手によるものが
日本人によって愛され、消費される。”国産国消”は大いに広がっていくべきだし、日本のワインに対するイメージが
2、30年前から変わっていない人々は、とりあえず、近所の酒屋に行き、
ラベルから気迫を感じる日本ワイン一本があれば、だまされたと思って
手に取るべきである。そうすれば、次は違う日本のワインが飲みたくなるはずである。
なぜならば自身がまさにそうであったから・・。
by seijitsushimi | 2011-06-08 19:08

昔取った杵柄(むかしとったきねずか)

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ことわざ辞典によると、この、”昔取った杵柄(むかしとったきねづか)”とは、
「若い頃に身に付けた技量や腕前のこと。また、それが衰えないこと。」とある。

若い頃、とまではいかないが、最近になってまた、絵を描き始めている。
まあ、いつものように必要に迫られている場合が多いのだが。
先日の銀座の店前に置くポスターに続き、本店のワインリスト(かねてから準備していたものがやっとできた日本の限定ワインリスト)
の挿絵をいつものように突拍子もなく発想し、さほど考える事もなく、短期間で一気に仕上げた。
これは自分で言うのはおこがましいが、ある意味才能だろう。
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ミラヴィルという名の店でやっていたときは、年に数枚のレベルだが割とコンスタントに、いろんな絵を描いていた。
かなりたまり、置き場にも困ってきたので、閉店時にバザーを開いて売った所、想像以上に売れた事はまだ記憶に新しい。
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今回の店には店内にいわゆる自作の絵画というものは飾らず、いくつかの自作の装飾デザインで表現した事もあり、ここの所キャンパスに向き合った事が無かったので、勿論第一筆を入れるときには緊張したが、それが数分後にはものの見事に何かにとりつかれたかのように、筆は進み目標の5枚の挿絵をトータルで一時間もかからないうちに仕上げた。
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ことわざ辞典の意味通り、衰えて無いのである。
衰えるどころか、以前より、更に自由に、何にもとらわれる事もなく、自然の線が脳から湧き出てくる。
(へたくそな事は変わりようがないが、更にへたくそになっている所が進化している。それがいい。)

今回は、今、日本のワイン、というより、日本人が創るワインに魂までやられている俺が、
レストランでの仕事を通してもっと客に知ってもらうために、選りすぐりの職人ワインのリストを約4カ月越しで
完成させた。 

ただ、これ見よがしに年号と銘柄と金額だけの味のない、従来の事務ファイルの様なリストにしたくなかった事もあり、まさに有機的な「デジタル」と言う「農薬」を使わない、それでいて、何処か「クスッ」と笑えるワインリストを造る事を心がけたのだ。
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是非、お酒を飲めない方も、店に来たら、「日本のワインリストを見せて下さい。」と声をかけて下さい。

そこには、人生を葡萄の栽培に、美味しいワイン造りにかけてきた職人たちの魂の作品と、それらを心から応援する
何となく、最近アンチデジタルを見直してきている、こてこての発展未だ途上の料理人が創り上げたコラボレーション的なリストが3冊ほど用意してあるのだ。

「泡」、「シャルドネと女」、「Japanese Medoc」、「培う男」、「Nihonno Wain」。
この5枚の挿絵は、ただのワインリストの挿絵にすぎないが、ワインリストにさえ、店主の客をもてなす日本人
の精神みたいなものを感じて頂けたら、それは店主にとって当然、至福の幸せであり、
若い頃に身に付けた技量や腕前を生かし、また、それが衰えてない事。」をあらためて実感する事が出来ることだろう。
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これは銀座のミラヴィルインパクトの店前に置くために描いた巨大ポスター
by seijitsushimi | 2011-06-04 01:18