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能登ワイン・・・。

「夏から秋への ̄~~♪? 能~登半島ぉ~~♪?」

1983年ころの石川さゆりのヒット曲である「能登半島」。


ここの鳳珠郡穴水町に今回目的の「能登ワイン」さんがある。

私にとっては初めての半島入りである。
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ワイナリーに多い木樽を使った看板。 どのような出会いとワインか楽しみです。 


能登ワインさんと言えば以前からサンジョベーゼという品種からできるブラッシュワイン

(簡単に言うと赤品種から作る白ワイン、実際にはロゼワインに近い。)や、

そして、わが愛してやまない、日本の土着品種であるヤマブドウ系の交配種、

「ヤマソーヴィニヨン」が非常に気になっており、関東圏ではあまり見かけることもなく

なかなか口にできる機会も少ない。



その辺の話ももちろん伺いながら、この北陸の地でのワインつくりの様子を

是非勉強させていただくことが、最大の目的であった。



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美しく整備されたシャルドネの畑。ショップから見渡せるようになっています。 よく見ると土に牡蠣殻がまいてあるのが白く見えますね。 


お忙しい中、営業主任の丸山敦史氏に畑を車で案内していただきながら、

色々とお話を伺うことができた。




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ショップのデッキから見る畑はとても美しい。これから植樹する畑も見えます。無効に見えるのはソーヴィニヨンブラン。 

このあたりの土質は割と酸性の強い赤土質。

これにアルカリ質を加えるための肥料として、

半島内で獲れる牡蠣の殻を砕いて施肥をされていた。この効果は大いにあるらしく、

これで葡萄栽培に適した土壌にされている。


どこのワイナリーも当然色々な品種を数多く試験栽培し、

その中で最もその土地気候に適した品種を残していき、その品種に力を注ぎ、

醸造法を駆使してフラッグシップワインにしていくのだが、


能登ワインさんもしかり、シャルドネやメルロ、ピノノワール、ソービニヨンブラン、サンジョベーゼ、

ヤマソーヴィニヨンなど多くの品種を栽培している。


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この景色に輩は釘づけになっております。


中でも、白だと、ソーヴィニヨンブラン種、赤ではヤマソーヴィニヨン、現在試験栽培中の

ビジュノワール、

http://www.jfc.go.jp/n/finance/keiei/pdf/1449.pdf#search='%E3%81%B3%E3%81%98%E3%82%85%E3%83%8E%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB'

が特に今後この土地にもっとも期待できる品種出、これからも力を注いでいかれるらしい。

楽しみだねぇ~。

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丸山さんに醸造施設を拝見させていただきました。10年ほどだそうですが、まだまだ新しい。 



最近は、日本ワインブームの良い影響もあって、石川県の農林水産課主催の産地見学会で、

都内からも料理人の方々が、少しづつ足を運ぶようになってきているとのこと。


それにしても都会と違ってやはり空気がうまい。


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ステンレスの醸造タンクです。 


ここ能登ワインは、十数年前に北海道ワインさんの指導のもと、開墾から始まったワイナリー

だそうだが、今では村山隆代表始め、吉田穣製造課長、そして丸山氏、他数名のスタッフたちで

日々研究と努力を続けながら、能登でのワインつくりを研究され、実践されている。



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施設から少し離れた畑に丸山さんに車で案内していただきました。 


ほとんどのワイナリーがそうであるように、能登ワインさんも販売シェアの約95%が地元消費で、

残りの数%が首都圏や県外に出回っているらしいが、首都圏へはある一軒の問屋さんへ

流通しているのみで、その先はどこの酒販店さんや飲食店さんで売られているかは把握

できていないらしい。どおりで都内であまり見かけないのも無理もない。

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ヤマソーヴィニョンです。野生美溢れていますね。 


地元のお客さんを大切にする気持ちも理解できるし、もっともっとシェアを広げ、

全国ブランドになってほしいという気持ちもあり、その辺はいつも複雑である。


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丸山さんは元、地元の農協職員さんだったそうです。ワイン造りに興味を抱きここ能登ワインの立ち上げから頑張って居られます。  


特に私の店では日本ワイン1本で勝負している以上、並々ならぬ思いで日本のワイナリーを応援して

行かねばならないし、ワイナリーさんに対してもさらに質のいいワインをリリースし続けていただくことは

必要不可欠である。

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左が製造課長の吉田さんです。 なんか雰囲気のある方でしたね。 


まだまだ、日本における需要と供給のバランスが本来の良好な状態になっていないことから、

どうしても、少数生産の限定品になり、入手が困難になり、価格も高騰してしまう。

あながち、シェアの拡大と言ってもそう容易では無い。



ここ能登ワインさんもこれからも多くの壁を乗り越えられ、理想とするワイナリーを目指されると思う。

すでにワイナリーの施設は、とてもきれいで、売店の中に展望エリアのように作られていて

見下ろすと斜面に広がる美しい葡萄畑が一望できるようになっていて来訪者に対するワイナリーとしての

意気込みも感じられた。

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都志見はまた、日本ワインについて、熱弁しています。 

今回私は、羽田から小松空港まで約一時間少し、そこから直接向かえば車を借りて

能登ワインまで約2時間半ほどで到着することができた、

そして30分も走れば、まだできて新しい「能登空港」で車を乗り捨てて

東京まで戻ってきた。遠いようで以外に能登半島って近いのである。

まさに日帰りで十分行くこともできる。

是非、みなさん、観光もかねて一度、能登に行かれては??

そして能登ワインにも是非お立ち寄りを。おいしいワインも色々と試飲できます。


最後に、製造課長(栽培醸造責任者)の吉田さん、想像以上にお若くて、

俳優さん張りの少し浅黒いいい男でした。

あと、今回は時間の都合で立ち寄ることができなかったが、能登にはおいしい野菜を作っている

有名な農家さんもいるらしい。

是非、また、今度は一日かけて能登ワインさんをはじめいろいろなところを訪れてみたいと思った。


能登ワインの皆様、今回は大変お世話になりありがとうございました。



以上。
by seijitsushimi | 2013-08-28 09:32

いざ、加賀蓮根の古里へ・・・。

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川端さんの畑です。この地は加賀蓮根畑が密集しているまさに加賀蓮根の故郷です。   

生まれて初めての石川県。


石川でイメージするは、金沢、兼六園、加賀野菜、加賀百万石 前田利家と・・・。

中でも加賀野菜に関しては、西の生まれ(広島県)の私にはさほど馴染みもなく、

加賀蓮根に加賀太きゅうりくらいかなぁ。知っていたのは。




今回、訪石川のきっかけを作ってくれたのが、元NHKアナウンサーで

タレントの宮川俊二さんが紹介してくれた、若手加賀蓮根農家の川端崇文さん

である。

素晴らしい農業家がいればすぐに飛んで行って会いに行くのが私の流儀であるし、

そのプロセスなしに私の料理もイマジネーションも成り立たない。

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川端さんに自宅のわきの倉庫には農機具や、肥料が所せましと・・・。本当に農業が好きなんだなぁ。
話にも力が入っています。勉強になります。
 



今回は一泊での予定だったために出会いから約半年たっての金沢入りになった。

川端氏はまだ30代半ばのとてもエネルギッシュな若手ファーマーである。

金沢で生まれ、今も金沢市内で居を構え、蓮根生産を生業とし、頑張っている。

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蓮の葉の群生は圧巻です。 



私がたとえば1人の農業家を理解するうえで、その人の生い立ちや、

人生経験、はたまた生活環境までもが

一つ一つ、とても大事な要点である。


なぜなら、”もの” は、その人のこれまで生きてきた人生そのものが”作っている”からである。

ましてや、”いいもの” や、”わるいもの”はまさにそれらに左右されること他ならないと確信している。



生まれながらにして、農家の子せがれもいれば、家業に関係なく、一つの進路として、

農大を出て農業を営んでいる人。

更には、まったくの異業種から脱サラによって、参農する人。さまざまである。



どれがよくてどれが悪いんじゃなくて、それらの人生と経験とが

いいものを作ることと、情熱とのかかわりが要なのである。



それを確かめるには、実際にその「人」に会ってみない限りにはわかりようがないではないか。

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生産者がいて、そして料理人がいて。 素晴らしい一皿が生まれます。(^^)/ 


はっきり言わしてもらうと、農業家にも素晴らしい人とそうでもない人がいる。

これはあくまで「私にとって」の話であるが、生活のために農業をやる人、美味しい野菜を作りたい一心で

農業をやる人、安全安心な野菜を作りたくて農業をやる人、ただ金儲けで農業をやる人、有名になりたい

ために農業をやる人。

しかし、私の料理に使う食材を選ぶのはあくまで私であるから、

もちろん勝手に私が選ぶのである。独断でも偏見でも、いいのである。また、そうでなくてはならない。


この川端氏に関しては、今回の訪問で、とても高い志を持った農業家であることが理解できた。

その裏付けとして、参農からおそらく10年もたっていないだろう。

能書きばかりではなく、情熱と努力の結果として彼の作る”加賀蓮根”は素晴らしくおいしいのである。

証として、私も含め、すでに都内だけでも10数件の取引先があり、

志の高い料理人の腕を振るわせているらしい。

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川端崇文さんと・・・。 





福井の永平寺から、高速使って加賀入りしたのが、午後の2時過ぎだったか、

その日は、もちろん彼の作品のある蓮根畑を拝見させていただき、一度、ホテルにチェックインし、

金沢市内の彼のおすすめの加賀野菜のおいしいお店で会食をする予定にしていた。



金沢に入ると、カーナビを使い、迷うことなく、彼の自宅前に無事到着。

彼が以前に東京へ仕事で来た時に奥さんとお店に立ち寄ってくれた時以来、

二度目の再会である。

ご両親のうちの隣に、まだ建てて建てて間もない新築のご自宅に奥様と、まだ幼いご子息2人の

幸せそうな家庭である。


庭には自家消費用の安全野菜を栽培し、同時に彼は色々と、蓮根以外の野菜作りの研究もしている。


彼はもともと、自動車部品の輸出の仕事をしていたそうだが、

蓮根づくりを生業にすることを決意し、何かと閉鎖的な

伝統野菜作りの世界へ足を踏み入れ、いくつもの壁を乗り越えていった。


最初はもちろん”新参者”扱いをされ、いじわるにも、蓮根つくりのノウハウも誰も教えてくれようとせず、

自らが、研究と努力を重ね、今では、組合の組織の慣習に縛られることもなく、

既存の農家のそれらよりも味、質ともに素晴らしい加賀蓮根作りに成功している。


独自の品種の特性もあり、通年出荷できないことから、休作期の商品対策など、

彼なりのプランを打ち立て、立派に実践しようとしている。



ちなみに現在、試験的に栽培しているい蓮根以外の加賀野菜も、(打木赤皮甘栗南瓜や加賀大蒜など)

先日サンプルとして送っていただいたが、どれも専業作物より、勝るとも劣らない、

目を見張るほどの出来栄えだった。


彼と話をしているとよくわかる。

いいものを作るためだけに傾けるの無垢な情熱が。


その後ひとまずお別れし、再び彼が予約してくれた金沢市内の料理屋さん

で待ち合わせをし、加賀野菜を楽しみながら川端氏と会食。楽しいひと時を過ごした。

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伺ったお店の美人女将と・・・。 

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前菜・・・。  

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お造りには蓮の葉が・・・。さすが。 

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加賀料理の代表作です。”治部煮” 美味しかったよ



最後まで手厚いもてなしを受け、かえって気を使わせたり迷惑をかけてしまったが、

今回畑をこの目に焼き付けた以上、今後、この川端加賀蓮根を平坦な気持ちで

料理するわけにはいかない。1本1本、彼の蓮根に触れるたびに、彼のあの広大な

蓮根畑に手が入り、すくすくと伸びる蓮根がイメージできるから。


これが私の料理感に欠かせないもっとも重要なモチベーションの起源なのだ。

今回も本当に有意義な旅となった。

職人に会い、温かい心と、ものつくりに対する熱い思いに触れ、

さらには、この狭い日本全国にも各地に行けば、こんなにも、まだまだ知らない

おいしい食材や料理が、長い歴史とともに存在し、大切にされていることを

再認識できた旅だった。


江戸とも違い京都とも違う、加賀文化の何となく中性的でなおかつ独自的な

情緒と雰囲気に、しばし酔い、是非又訪れたいとホテルの窓から市内を見渡しながら

そう感じていた。(実際は大きなパチンコ屋が目立っていたが・・・。)


さて、今年も都志見の川端蓮根料理に挑もう・・・。 彼の努力にも報えるよう・・・。


以上
by seijitsushimi | 2013-08-13 22:47