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変化した私の紅茶感・・・。

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日本を代表する紅茶研究家の磯淵猛氏と藤沢のディンブラにて

 
紅茶・・・・。

個人的にはコーヒー党かなぁ。

なんか幼少のころにおふくろに、「”紅茶”は”コーヒー”より、カフェインが多いけぇ

”紅茶”の方が胃が悪うなるんよ」

って、よく言われていたし・・。

でも職業は「コーヒー又は紅茶」の世界だし、そこをスルーするわけにはいかない。



実際に私のレストランのティーメニューには、日本の紅茶も含め十数種類ものお茶を用意している

現実もある。


今回ある大手コーヒーメーカーに勤める友人(珈琲屋さんが紅茶屋さんを紹介してくれるのも面白いよね)

のおかげで、日本における紅茶研究の第一人者として幅広く活躍され、

多くの紅茶学についての著書も出版されておられる、磯淵猛(いそぶちたけし)氏に

直接お会いすることが出来た。

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ディンブラは藤沢駅のそば、ビルの2Fにあるお洒落なティーサロン



実は磯淵氏は、藤沢にディンブラという紅茶専門店を経営されていて、

実際に磯淵氏セレクトの紅茶を買うこともできるし、当然、手作りのスイーツと共に、

入れたての紅茶を楽しみながら磯淵氏ワールドを満喫することが出来る

お忙しい毎日を送られているであろう。しかし今回は特別に快くアポイントを取っていただき、ゆっくりとお話を

伺うことが出来た。紹介者にも感謝の一言である。


先にも話した通り、もともと珈琲派の私は、この磯淵氏がどれほど紅茶の世界で凄い方なのかなど、

知るすべもなくネットなどで、プロフィールなどを調べる程度の極々ありきたりのリサーチしか

出来ていなかったが、ご挨拶をさせていただき、席に着き紅茶の話をされ始めると、

この人がどんな人なのかはすぐに伝わってくる。

そしてそこから彼の紅茶の「世界へと引き込まれていく。

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現地、スリランカの茶摘みの様子・・・。 




現地で撮った写真などを見せていただいたり、紅茶の歴史や、イギリスとのかかわり、文化などなど、

どの話をとっても、私にとっては新鮮で、興味深い話である。

と、同時にこれまで紅茶をここまで掘り下げて学ぶ機会に恵まれなかった事を不思議に思う。



じゃあ、かといって我々日本人は日本茶について多くを学んでいる人がどれだけいるか?

皆無である。 

そういうところからも残念ながら、お茶を含めた「食」に対する文化意識の低さがうかがえる。



店内のティーメニューはそれぞれ産地や特徴の違う紅茶がそろっている。

わたしの様な素人でもわかりやすく、

それぞれに説明書きされている。

そしてそれぞれのオーダーした紅茶が運ばれ、目の前でティーインストラクターの資格をもつ若い

女性スタッフが丁寧に入れてくれる。 

これだけでも十分「お茶の世界」に引き込まれていく。



磯淵氏の話は紅茶に関するの雑談から、今度は「ペアリング」へと変わっていく。

「ペアリング」はあまり私には聞きなれない言葉であるが、いわゆるワインの世界では

「マリアージュ」、「食べ合わせ」のことである。

お茶とそのお茶を楽しむための食べ物。逆に食べ物を楽しむためのお茶、そして食べ方、飲み方など、

実際のスイーツと紅茶を合わせ飲みながら、丁寧に説明していただいた。


料理家である私には感動である。

これまで考えもしなかった紅茶の妙技、力、必然性を実際に体現することが出来た。

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紅茶のペアリング・・・。 目からうろこでした。面白い!   


ミルクティーに使用するミルクの脂肪率の関係性や、食中茶としての紅茶の必要性や

科学的根拠などなど、とても興味深く、実際の私の仕事にも生かせるお話をたくさん伺うことが出来た。


「ペアリング」・・・。この言葉を覚えただけで、なんか紅茶通になった気がする単純な私は、

それでも確実に紅茶に対する認識や、傾倒している自分に気づく。


今回の訪問はとても有意義であり、確実に自分の仕事に生かしていけることで、

充実感を感じる事が出来た。


店の一部をショップにしておられ、紅茶はもちろん、彼の多数の著書や、紅茶にまつわる小物や茶器など

ディスプレイと販売をしている。


色々とそれらについても説明をしていただき、帰りぎわに店名にもなっている「ディンブラ(紅茶名)」を

おみやげに頂き、東京へ戻った。


自宅に戻り、お礼のメールを磯淵氏に送り、そして「また行きたいなぁ」などと勝手に思いながら

美味しい紅茶を飲みたい気分にしばし浸っていた。

何に対してもそうだけど、知らないことを知る、学ぶということは本当に素晴らしい。

短い人間の一生で、知識も含め、世の中のことを一つでも多く知る、学ぶ。

これが人間の普遍の価値ではないか? いつもそう思う。

人間にとって必要なものは「物」ではなく「知る」「行う」が大事なのである。

少なくとも最近の自分はまさにそれである。

今回、磯淵氏と紹介者のお陰で見事に「私の紅茶感」は大きく変化したのである。


以上
# by seijitsushimi | 2013-06-07 17:12

「老人」

「老人」

この言葉を聞いて気持ちが明るくなる人はいるだろうか?







自分は今まで、世の中で老人と言われる人たちはまるで宇宙から来た

いわゆる「老人」という生き物で、もともとそういう人たちは、

生まれたときから「老人」なわけであって、自分とはまったく無縁の社会の一部、ましてや

いずれ自分も「老人」になるのだという意識や考えは全く持ち合わせていなかった。


50年生きた今、若者と老人の狭間で(どちらかというと老人よりなのか?)

考えさせられることが多くなった気がする。

先も見えるし、若かりし頃を振り返ることもできる。

そして、「若さ」というものが本当にかけがえのなく大事な財産であること、

(あったこと)に気がつく・・・・。そして若くして命を失ってしまうことが、

どれだけ虚しく、惜しく、悲しく、残念であるということ。




この映像は、今年行われた全国老人福祉施設協議会主催の「第5回 介護作文・フォトコンテスト」

の受賞作品集。

この度、友人のシンガー、中溝ひろみさんがテーマ曲、「1000億のキセキ」を

歌っていることで、この映像に出会い、何度も繰り返し観ていた。

こんな映像を これまでの自分の人生にはなかったこと。 考えるのはまさに「老人」である両親のこと、

亡くなった親戚のおじさんやおばさん、あるいは恩師のこと・・・。

なんか涙もろくなったなぁ・・・・。最近。


6月16日(日曜日)7:00~ 銀座のミラヴィルインパクトにて中溝ひろみさんに歌っていただきます。

よかったら足をお運びください。

http://www.miravile.net/impact/t_event_nakamizohiromilive.htm
# by seijitsushimi | 2013-05-24 16:48

中伊豆ワイナリー・・・。

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葡萄畑の入り口に大きなワイナリーの看板・・・。 なんか日本じゃないみたいね。  


先日、久しぶりにワイナリーを訪ねた。

中伊豆ワイナリー。「伊豆のへそ」と言われるように、

伊豆の中部に位置する山間のワイナリーだ。

写真の畑にそびえたつ看板にちらりと見えるように、ここは、

あの大手カラオケチェーンを展開するSHIDAX(シダックス)が経営する

ワイナリー。]

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宿泊したホテルの部屋から窓の外をのぞくと・・・・。 ハワイのハレクラニをほうふつとさせる。 


2キロほどの場所にホテルも併設していることから、今回は一泊2日の旅である。

大型連休明けということもあって、さすがに客はまばらで、かえってのんびりできて落ち着く。


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初対面です\(~o~)/。 松岡醸造責任者。 まずは名刺を交換っと。 


宿泊のプランにワイナリー見学のオプションがついているのだが、

前もってアポを頂き、醸造長の松岡数人さんに特別にご案内いただくことができた。

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二人とも目をつむっています(*^。^*) 

広告等で写真はよく見かけるが、シャトーの前に広がる広大な畑(約8ha)は

品種ごとに植え分けられとても美しく整備されている。

お邪魔した時も数人で雑草刈りをしていた。

松岡さんは「本当はあまり刈りすぎない方がいいんですけどねぇ」とおっしゃっていたが、

まあ、周りの景観を最優先に考えると、刈らざるを得ないのは何となく理解はできる。


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松岡さんはとても気さくで、直ぐに意気投合致しました。葡萄話が止まりません。
しかし綺麗な畑だなぁ。
 



ところで、今回色々とお世話になった松岡さんは、初めてお会いしたとは思えないほどに

気さくな方で、色々なお話を聞かせていただいた。

もちろん、このブログでは、紹介できない内容のお話も・・・・。(*^_^*)

そして、何よりも、やっぱり「熱い」。

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「信濃リースリング」がこの中伊豆に・・・。 白品種はシャルドネとこの信濃リースリングだけだそうです。 



仕事に対する情熱。

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いつもですが・・・・・。 話が止まりません。(*^^)v 


これまで数多くのファーマーや、ワインメーカーにお会いしたが、本当にみなさん

仕事に対する気持ちがピュアで、常に前向き、いや上向きである。

だから、これからの農業、日本のワインは確実によくなってくる。

自分は今、そのプロセスのまっただ中に生き、仕事として携われることは

とても幸せなことである。

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背景にシャトーがあって、まるでボルドーに居るみたいだね。でも手前の2人は完璧に日本人です。(笑) 

畑を一周していただいた後、今度は、工場を見せてもらった。


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さて、次は工場です。 この日は連休明けで、樽出しやら何やかんやで、忙しかったそうです。
松岡さん、お疲れの所すみません・・・。(#^.^#) 



松岡さんの素晴らしいところは、組織の、それも大きな組織の中で

ある程度の制約のもと、理想を追求したワインつくりを実践しようと

しつつ、我々、飲み手の気持ちに寄った意識を常に持たれている感じ。


価格の問題や、流通の方法など、我々ユーザーの立場もとても理解して

話してくれる。
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シャトーの玄関です。 こんなところで結婚式挙げると、ロマンチックなんだろうねぇ~。  


これから、松岡さんが目指すもの、そして理想とするワインつくり、

会社を含めどのように導いていくかなどもたくさん聞くことできた。


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数百メートル離れたところにグラッパの醸造所があります。 

話は変わるが、「巨峰」という食用葡萄の中では最も日本でメジャーな

葡萄は、この地で発明されたらしい。

この地方の一大産地である、「原木椎茸」。今でこそ日本全国で

たくさん見かけるようになったが、これもこの地での栽培が、日本で初めてらしい。

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急に降り出した雨。 年間の降雨量は、山梨県に比べて倍くらい多いみたいです。
うなずけるかも・・・・。
 




比較的気温が高く、降雨量も多いこの地で、ワイン??

と、いうイメージをお持ちの方も多いと思うが、何気にもともと、

農業盛んな地域なんだよね。


中伊豆ワイナリーといえば、数年前にシャルドネの単一で、国産ワインコンクールにて、

金賞をとったことがある。

その後は、銀賞をとり、近年は目立った賞は受賞していないが、松岡さん曰く、

理由の一つに全国的に、この数年のワイナリーでの栽培技術や、醸造技術の

目覚ましい向上を挙げている。

なるほど。確かに自分自身も日々日本ワインを扱いながら、感じるところである。

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ここではシーズンになるとバーベキューも出来るそうです。 頭上には生食用のブドウが元気に育っています。 


松岡さん言葉の中には、いわゆる「現場」の目指すものと、会社の上層部

の人たちとの意識のギャップをいかに埋めていくか?そのむずかしさのようなものを

ひしひしと感じた。

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グラッパ用の蒸留機。綺麗に展示されています。 


どのワイナリーにお邪魔しても、ワインつくりと資金の問題については、

大なり小なり超えていく壁があるようだ。

極論であるが、やはり「ワインは売れないとおいしいものはできない。」。

メーカーたちの努力と技術革新で確実に品質は良くなっている。



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一時の夕立もあがり、外には虹の出る気配が・・・。 結局でませんでした。 

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ホテルの中には、当然カラオケボックスが・・・。 部屋の中までワインの写真が・・・。    
# by seijitsushimi | 2013-05-09 22:12

4月25日(木) はなまるマーケット生出演・・・。

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4月25日(木)、明日の朝です。TBS系列、全国ネット 朝8:30~ はなまるマーケットにて

スタジオでお手伝いさせて頂きます。

内容は、野菜料理の簡単面白調理法を御紹介します。

ゲストの熊谷真実さんにお教えしながら実際にスタジオで調理します。

朝早いので、テンション云々では少々の不安はありますが・・・・。

お時間の許せる方は是非ご覧くださいませ。


都志見
# by seijitsushimi | 2013-04-24 07:55

三好良久典座にお会いしたい・・・・。

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写真の方は、福井県におある曹洞宗大本山 永平寺大庫院 三好良久典座(てんぞ)。

静かな心で毎日早朝から雲水たちの朝食の「胡麻塩」用の胡麻をする三好典座。

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【典座とは】 Wilipediaより

典座(てんぞ)は禅宗寺院の役職の一つ。禅宗寺院で修行僧の食事、仏や祖師への供膳を司る。六知事(ろくちじ)の第五位。

一般に炊事係は「飯炊き」「裏方」などと呼ばれ低く見られがちであるが、禅宗寺院では食事の調理、喫飯も重要な修行の一つとされ、また陰徳(人知れず徳行を積むこと)を行ずる立場であることから重要な役職とされる。修行経験が深く篤実温厚な人物が任命される場合が多く、修行僧たちの相談役として敬慕される者が多いという。

曹洞宗では開祖道元が求法のため宋で修行した際、二人の老典座との出会いから禅の修行の本質を悟ったという故事から特に尊重され、道元は『典座教訓』という書籍を執筆したほどである。

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今、私が最もお会いしたい方のお一人である。

永平寺は全国にある曹洞宗院の総本山で760年前に道元禅師が開山した禅宗寺院。

曹洞宗は数ある宗派の中で唯一「食」というものを修業のひとつととらえている。

「食べる」事も「作る」事もである。

典座はいわゆる一般社会では総料理長であり取締役でもあるお方。


最近になって、私はたまたまつけていたテレビ番組で「永平寺に学ぶ食の作法」をやっていたのを観た。

料理家である私は、そのまま思わず観入ってしまい、そこに出演されていた三好典座の事を知った。


番組は2話構成になっており、1話では主に寺院内にある「大庫院」、

すなわち約200人もの雲水(修行僧)や、御来賓などの食事の支度をするいわゆる調理部門での

仕事の様子や、三好典座の料理に対する考えや想い、「食」に対する感謝の気持ちなどを語りながら、

実際に野菜ひとつで作る素晴らしい野菜料理を数品紹介されていた。

永平寺は、日本における「精進料理」の発祥の地である。

肉や、魚類を使わない理由や歴史背景は別として、

食材に感謝の心と無駄にしない野菜に対する想いや料理法など、まさに自分が日々実践している事と

酷似しているではないか。?

驚きであった。さらには調理で出た皮やヘタ、切りくずなどはまとめて朝食の汁物のお出しとして使用する。


私はオープン以来、数十種類の野菜の皮や切りくずなどを発酵後、

数日間、から炒りし「野菜茶」として客人にふるまっている。方法は違えどまさに発想は同じじゃないか。


目から鱗が零れ落ちた。


そして・・・・・。 「この人に逢いたい」と思った。


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先日、思い続けていた三好典座への面会申し出の手紙をやっと書くことが出来た。

気がつけば便箋に8枚。(字は大きいのだけれど(笑))

自筆の手紙はフランス修業時代に、働きたい店に就業依頼の手紙を書いたとき以来だ。


自己紹介から始まり6月の後半から7月の時期にお邪魔したいと・・・。


だいたい、普段から、せいぜい墓参りや初詣以外のなんら宗教信仰もせず、

精神性もさほど高くない私などに、ましてや、誰の紹介もなく、いきなりぶしつけな手紙を送り付ける

俗社会に生きるこの無礼者に快くお会いいただけるものだろうか?


一抹の不安もあるが、とにかく思ったらアクションは必要だ。


返信用の封筒と切手、そして名刺を一枚同封し、職場の帰りに投函した。



そして3日後・・・・・・・。



「永平寺の三好ですぅ~。」

1本の電話があった。 最初はだれなのかわからなかったくらいに、信じられなかった。

まさかご本人に電話を頂けるとは・・・・・。 驚きと嬉しさと。



「来てもろても、何も話す事はありませんよ。」

「私があなたに聞きたいくらいですわ~。」

福井なまりの温かい言葉。


お会いして頂ける事を快諾して頂いた。


詳しい日程がわかり次第、又連絡頂けるとの事。


最近あまり感じる事が少なくなってくいた、久々の超ワクワク感!!

ドーパミン、アドレナリンが出まくり、なんか初恋が実った時のあの感動?? (実体験はないが)

にも似たハイテンションな感動。


今から楽しみにしています。


また報告致します。(*^^)v


都志見
# by seijitsushimi | 2013-04-23 10:40