いざ、東御市ワイン特区へ  vol.2

b0206074_23271015.jpg

この看板、フランスのブルゴーニュのニュイ・サン・ジョルジュ辺りっぽくていいなぁ。 


ヴィラデストで豊かな自然と恵まれた環境に触れ そして美味しいワインを頂き、温かい人たちに見送られて
さて次は同市内にあるRue de Vin (リュード ヴァン)へ足を運ぶ。車でわずか10分ほどの近距離である。
昨年まで、醸造をヴィラデストの施設を使用していたことが、この距離を見れば納得できる。

代表の小山氏はもともと電気関係の企業に勤めるサラリーマンで、脱サラし、この東御に
移り住み自力で出資者を募り、ものの見事に理想的なワイナリーを数年で立ち上げた優れた起業家であり実力者でもあるワイナリーである。
b0206074_23273828.jpg

代表の小山さん。 山の風景がどことなく絵になる人だなぁ。 


この地がワイン特区に指定されるまでの道のりは容易なものではなく多大な尽力をされたそうだ。

先日銀座で行われたイベントであいさつすることができ、たまたま翌々日にヴィラデストとアポイントを取っていたので、お忙しい中、無理を言って立ち寄らせていただいた。

昨今の日本ワインブームで一般の方々もワイナリーを訪れることが多くなっている。
我々はお邪魔するほうであり、訪れる側は初めてで、いい気分なのだが、受け入れるほうは常に同じ対応に追われることになり、決して楽ではないだろう。
b0206074_2329480.jpg

どれも新しくて気持ちいいね。これから美味しいワインが醸されていく。石元君、起きているかい? 

まあ収穫時などとんでもない忙しい時期には当然断られるが、
ある意味 酒販店、レストラン関係者、一般消費者などが主力の顧客であるからには、
訪問客への対応は大事な営業活動になるので致し方ないのかも・・。

午後からの訪問になり、そのあとの佐久の契約農家へ立ち寄りたい気持ちもあったので、
簡単にといえば語弊があるが、少しお話でも聞かせてもらえればというつもりだった。


小山氏は、同じワイン作りを職業としている人間でも前記のヴィラデストの小西氏とは全く違うタイプでおなかのプックリと出た(自分も人のことは言えないが)がんこ職人タイプ。さらに自信家でもある。

ワイナリーを立ち上げるまでに至った経緯や資金調達の苦労。フランスのワイナリーでの醸造体験などなど熱い口調で語ってくれた。

結果として、思わず話が弾み、山の頂上の畑まで案内してもらうフルコースとなったのはかえって幸運だった。

b0206074_23295076.jpg

男が二人。「仕事」を語る。 


「作られたモノはそれを作ったヒトの写し鏡である。」
情熱のある人の作るものからはもちろん情熱が伝わるし
可能な限りの努力をした人が作ったものからはその努力の結果がうかがえるものとなる。
当然逆も言える。

特に常に自然と向き合っている農業家は如実にそれが出ると思う。 一番に興味があるのは、その努力の結果素晴らしい農作物を作る「人間」である

たとえば、自分は農家と契約をするときに対象は野菜ではない。「人」と契約するのだ。そう、信頼関係である。野菜も葡萄も自然を相手にするもの。

b0206074_23302383.jpg

Rue de Vin の畑。 日照時間も長く朝夜の気温の高低差も・・。水はけも良い。まさに適地だ。 


気象条件や自然災害などが原因で出来不出来なんてあって当たり前。
でもその人間との信頼関係があれば、いつかはまたさらに素晴らしいものを作りだしてくれる。
この関係が大事なのである。

だから美味しいワインに出会ったときに、酒屋にワインを探しにいかず、蔵元までその「人」に会いに行くのだ。

小山氏も実にそう思わせてくれる人。彼の言葉の節々からほとばしる自信のある言葉がさらにそれを裏づける。


最初の立ち話が、椅子に座り、ひきたてのうまいコーヒーを入れてもらい彼の歴史や日本のワインの現状について語る。

こんにちまで至るのにすべて順風満帆なはずはない。その結果かどうかに根拠はないが、
ワイン作りに没頭するあまり、いまだ独身であることからも彼のワインに対する熱意は十分伝わってくる。


時間もあっという間に過ぎていき、せっかくだから畑を見せてもらうことに・・・。

b0206074_2332627.jpg

ワインの濾過システム。よく出来てるね。 小山さんが楽しそうに説明してくれた。 


その前に、このたびすべて新たに導入、建設された醸造施設を拝見した。陽がさしこむ明るい醸造場にしたい、と色々と工夫され研究し尽くされた近代的な施設だ。来年リリースされるキュヴェからいよいよ本格的にワイナリーとしての業が始動する。

非常に楽しみだ。 もともと小山氏の作るワインは氏の醸造技術による完成度の
高さが大きく影響し、とても秀逸な味に仕上がっているのに加え、後に見せてもらった立地的にも
気候、風土、土壌的にも大変恵まれた山の斜面に見事なまでに美しく植えこまれた数々のヴィニフェラ種の出来栄えを想像すればさらに今後グレードアップしていくに違いない。

ピノノワールでスパークリングを作り、それをトップクラスのキュヴェとし、既存のワインの価格を少し抑えることで、Rue de Vin のワインをもっともっとたくさんの人々に飲んでほしいと畑で語っていた小山氏の姿が今でも脳裏に浮かぶ。
(あれ?しゃべっちゃまずかった?)

b0206074_23324676.jpg

小山氏の代表キュヴェ 「ソーヴィニョンブラン」。 絶え間なく雑草が刈られている。 


畑から降りるともうあたりは陽が陰ってきて これからだと佐久のアトリエノマドに寄るには迷惑すぎると判断。東京へと戻ることにした。

一度はサラリーマンを経験した小山氏が第2の人生として葡萄を育て、ワインを作る人生に方向転換し、当然苦労はあったであろうが、今のところ、とてもうまくいっているし、これからの展望も明るい。
だから一日も早く人生のよい伴侶を見つけてさらに人生を謳歌していただきたいと、いつものように「余計なお世話」を焼いている自分がいた。
by seijitsushimi | 2011-06-19 23:28
<< 今度は勝沼・・・。 いざ ワイン特区 東御へvol.1 >>