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人がやらないこと。人ができないこと。

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先日のお話。
ある大手グルメサイトからお仕事の話があった。
「これからの料理界を牽引する若手女性料理人5人の創りだす料理を試食いただき、フィードバックとして彼女らに何かしらのアドバイスや
 
感想を述べていただくという企画への参加」
 
というものだった。
 
ん~~。
 
「最近の食にまつわる企業ッつ~のはいろんなことを考えて食の世界の発展に貢献しているのだな。」
 
と感心すると同時に
「これは私にしかできない仕事・・・?」 「ではないな。」
 
といつものガキのようなあまのじゃく的考えがよぎる。
 
加えて、
 
そもそも最初に頂いたお願いメールに私ではなく誤って他のシェフの名前が・・・。
 
「これはまず彼に打診し、断られたので私のところに振ったという程度だろう」と判断。
 
2~3日時間をおいて送った返信には、
 
「今回は申し訳ないが辞退させていただきたい。」
 
「理由は私にしかできない仕事ではない」
 
と、もちろん丁重な文面で。
 
 
 
そもそも私は店をリニューアルしたころから、海外でのイベント以外で
 
、こうした国内イベントへの参加や
 
活動はほとんど参加しないようになった。
 
その理由は前述したように
 
「私にしかできない仕事ではない」からに他ならない。
 
ナマイキなようではあるが、これが私の正直な考えだ。
 
 
そのメールを受け取った担当者のK氏はすぐさま返信をよこした
 
以下抜粋
 
「都志見さんにしかできない仕事であるか?」

に関しては、僕は都志見さんにしかできないと思っております。

「食べ手と共に成長を見守る」ということは皆誰でも出来るかもしれません。
 
しかし「先を進む者として後進の若手の料理を食べ、料理に込めた想いを受け止め、必要があれば助言を与える」
 
ということは、彼女達にとって糧となるアドバイスを出来るのは、
 
僕は日本のフレンチを牽引された一人である都志見さんにしかできないと思っています。
 
 

参加するかどうかではなく、これを送ってきたK氏に迷った。
 
「こんなやつ初めてだ。」
 
普通であれば、
 
「かしこまりました。残念ですが、また次回何かありましたらよろしくお願いいたします。」
 
の様な定型文となる。
 

仕込中にこのメールが来てることを嫁から「メールが来てるので確認ししてください」と
 
知らされた。
 
確認後、15秒考えた。
 
そして「仕事を受ける」旨を返信した。
 

ここまででも私には十分にK氏はお手柄だしあっぱれだし。
 
しかしこれを私が時間がない中、ブログにするには
 
この後の”オチ”が必要なのだ。
 
 

返信後、十数分だろうか、店に一本の電話が鳴り
出ると初対面らしき応対ぶり。
 
何気なく玄関から外を眺めると電話の声と同時に口を動かす若い男性の姿が。

担当者K氏だった。

うわっ!やられた!
 
「えっ?なんで来んの」
 
私の返信を読んでいてもたってもいられずわざわざ来たとか。
 

そしてわざわざ途中で買ってきた洋菓子を私に差し出し(たぶん自腹だと思う)、
 
お礼と「突然お邪魔してすみませんでした」と告げ、猛暑の中帰って行った。
 
私は、あいさつのなかで
 
「Kさん、あなたは必ず出世しますよ。」と言った。
 
出世できてない私から言われてもピンとこなかったかもしれないが(笑)
 
 
これって、できるかな~??

やらないよね~。
 
できないよね~。なかなか。
 

こうなりゃ喜んでイベント参加したくなるよね。
 
K氏のためにも。
 
その努力が、先で当然彼の成績と評価にもつながるし、
会社にも大きな利益をもたらすのだろう。
 
 
最近こういう話を聞く機会も少なくなってきたし、
 
廻りにこのような人間もあまり目にすることがなくなってきた。
 
 
彼の行動は当たり前にしなくてはならないことではない。
 
しかしわずか十数分でとった彼の行動が私の心を突き動かし
 
イベントに足を運ばせ、いまこうしてブログをかかせている。
 

「やる人とやらない人」

長い人生軸で考えれば起こる結果は単純明快。
 
 

久しぶりに感じさせてくれたK氏に感謝したい。
 
 

以上。
 

by seijitsushimi | 2018-08-12 14:05