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バレエをたしなみ候・・・。

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昨日、夕刻より渋谷のNHKホールにて開催された「バレエの饗宴2014」を拝見してきた。

きっかけは、私の古いお客様でもある酒井はなさんが出演されるとの事で、ご本人からのお誘いもあり、

久しぶりのバレエ鑑賞。

はなさんのステージは本当に数年ぶりで、さらに今回は御夫婦でのペア出演で、

島地氏(現在はドイツで活躍されている)のバレエは今回が

初めてで、かねてから楽しみにしていた。

いやぁ、よかったよ~。

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全7~8組のプログラムで、7~80名くらいの団体からソロまで、それぞれに異なるテーマと趣向を

凝らした、見ごたえのあるステージだった。

中でもはなさんペアは、モダン中のモダンで、前衛的。斬新で、まさに21世紀のバレエスタイルというか・・・。

振り付けもお二人ですべて考えられたとか。なんか、私の仕事感に近いものを感じた。

生のソロチェロ演奏で、演出もいたってシンプルでミニマル。エッジの効きた動きの素早さと激しさ、

振り付けのユニークさが見ごたえがあった。

バレエといえば、「白鳥の湖」をイメージする方も多いが、全く異質のもので、人間の生体と造形を

とことん掘り下げて追及した感じ。

満席であったが客はどれくらいいたろうか? 予約受付同時に申し込むもすでに、

4階のほぼ最後列しか空いてないほどの人気だ。

実際にバレエを実践している女性っぽい女性や、少女の姿が多いようだが。

バレエに関して言えば、はなさんがまさにきっかけで、これまで何度か鑑賞してきたが、

一つ妙なことに気付く。

それは、それぞれのダンサーの演目が終わると、もちろん客席に向かってお辞儀をして

お礼の意を表すのだが、その回数が、他の芸能(これは芸能か?)に比べ多いのはなぜか?

下手するとトータルで5~6回はお辞儀をする。幕が閉じ、これで終わりと思いきや

幕の隙間から出てきて、またお辞儀をする。

客はその都度拍手をし、それにこたえる。そして下がったと思えばまた出てくる。

決して全然悪い気はするはずもないのだが、この丁寧さはなんだろう。

バレエの起源や文化性、芸術性からくるものなのか?

客に対する礼儀は当然といえばそうだけど。

あとは、例外作品もあるが、バレエはたいてい女性優位を感じさせる芸術である。

もちろんしなやかさや優雅さでは女性の方がが美しいし、男性が女性をエスコートする姿は

観ていてとても平和的である。

これが逆であれば、社会問題になりそう・・・。

などといろいろな思いを巡らせて、約3時間半、バレエを堪能した。

私にとっては最高の心と頭の栄養である。

そしてこの栄養が、私の職業である、”料理” にじわじわと効いてくるのである。
# by seijitsushimi | 2014-03-30 21:58

今年も遅摘みみかん狩り・・・。

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お弁当を持って小田原へピクニック気分で出かけてきた。今年で2回目。

毎年この時期にデザートメニューに登場する「小田原の遅摘みみかん」の調達であもる。

 いつもお世話になっている元暴走族婦人!?、成川さんの畑に育つみかんは

まったくの無農薬で美味しい。おまけに本来は秋の収穫であるが、年を越しもっとも寒い

この時期に収穫する。

遅く摘むことで、皮は乾燥をはじめ硬化してくるが、果実は水分を放ち凝縮し、甘さと旨みが増す。

うちの”やんちゃスタッフ” 野田と長谷を連れていわゆる久しぶりの野外活動である。


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先日の関東の大雪の残雪もあり、朝から曇りの空模様。かなりの寒さが予想されたが、

少しずつ青空も出てきて、暖かくなってきた。

上着を脱ぎ捨て、猿のごとく木によじ登り、ひたすらみかんを落とす。

どちらかといえば、ふだんインドアライフな私だが、たまには外へ出て体を動かす気持ちよさを

実感した。

若いスタッフとの職場以外でのコミュニケーションも新鮮でいい。



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野田君 彼の頭の中には、目標にしたみかんを落とすことしか考えていない表情である。

若いと何かにつけて一生懸命である。黙々と困難なみかんを落とし続ける。

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長谷君、広島から上京してまだ一年にも満たないが、仕事も遊びも恋愛も??一生懸命だ。

みかん獲るのは早かったなぁ。




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農家さんのご苦労を実感しつつ獲る。

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私はというと・・・。 登るかどうするか・・・。 躊躇している。

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野田君。おっ! 「越後の山猿??」

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午前九時半くらいから獲り始め、11時過ぎには段ボール8箱くらいの収穫。

その後皆で畑で広げて食べたお弁当は美味しかったぁ。成川さんお手製のみかんヨーグルトゼリーや

温かいコーヒーもとても美味しくいただき、約3時間のみかん狩り、今年も無事に終わった。

結果としてぽかぽかと暖かく、天気もすこぶる良くて、最高のみかん狩り日和だった。

帰りは予定していた小田原城へと登りしばし日本史を探訪し、

その後、お世話になっている鴨宮の「かのや酒店」にご挨拶してそのまま銀座の店にみかんを搬入。

久しぶりに素晴らしい休日を過ごすことができた。

お世話になりました成川さん、ありがとうござました。また来年も伺いますね。


以上。
# by seijitsushimi | 2014-02-13 10:02

映画「利休にたずねよ」を観て・・・・。

映画「利休にたずねよ」を観て・・・・。_b0206074_21324530.jpg


年が明けて久しぶりに映画館に足を運んだ。

この映画を すぐに観たかったのと、やはりスクリーンで見たかったのと・・・。


今、私の中では古い大河(NHKドラマ)をDVDで観ることにはまっている。


坂本竜馬から始まり、いまは武田信玄、風林火山と。(時系列がおかしいのだが)


それはまさに娯楽というものとは程遠く、完璧に私の学習の時間である。

「日本の歴史」と「人間学」そして「社会学」。


信長、秀吉、家康と、天下人達ののせめぎあいと、戦国の乱世の物語は恐ろしいほどに

現代の人とのかかわり、社会人の戦いのそれと相違ない。


で、しばしば登場するのが、かの茶人として天下人となった”千利休”である。


芸術家として尊敬する人物の一人である。


利休の「美」に対する意識は映画からもすぐに理解できる。


「私の作るものすべてが伝説になります。」。

などと実際に言ったかいわぬかは定かでないが、

その美への執着と自信は、当時では並外れたものだったのだろう。



申し訳ないが、この映画で、話題になった海老蔵、団十郎の親子共演や、

利休に「実は想うひと(女性)がいた、などという脚本云々にはあまり、

興味はないが、とにかく利休の事を少しでも知りたかったのだ。


89年に公開された、三国連太郎が利休役を演じた「利休」も、もちろんDVDで観た。

同じ利休を題にした映画とはいえ、それぞれが別物であったが、

本来の利休像は三国演じる「利休」だったのではないか?




秀吉が、金色の衣に身をまとい、金の茶室を作らせるのとは対照的に、

わずか畳三畳で茶室を作り、「詫び茶」を確立させ、豪華、贅沢を嫌い、

たとえば鮎かごを花ざしに使ったり、名匠ではなく瓦職人に茶碗を作らせたり。

(この茶碗がいまでは国宝となり、実際に映画でも使われていたのがすごい)


「贅」ではなく、「心」でもてなす日本人ならではの「美」の心を具現化し、確立したのだ。


いわゆる豪華絢爛、きらびやかな美しさと、質素な中に人の心を打つ静寂な「美」と、

料理でたとえるならば、「フレンチ」と「日本料理」とでも、いえるのではないか?


どちらがいい悪いではない。 共に「美」である。


されど私は今、永年学んできたフレンチを決して殺すことなく、日本人としての「美」 

(ここでの美とは、目に見えるモノだけではなく、潜在意識や精神性も含むが。)

を日々一枚の皿に表現しようとしている。

本当の意味で、それはまだ誰もやったことがないことだろう。

厚かましいようだが、まさに私は現代の料理界の「利休」ではないか??

以上。
# by seijitsushimi | 2014-01-17 22:33

2014年に向かって・・・。

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新年最初の一枚・・・。

といっても毎年お年賀用に干支を描いている、ただそれだけのこと。

「馬」。 「午」とも書く。なんで??

タイトルは 「幸せいろいろ、色馬」。 

人にはそれぞれいろいろな幸せな形があるし・・・。

だから皆の幸せをすべて引き受けるめでたい馬。 のつもり?

自分自身は、2013年は一言でいうと、「不動年」。

仕事も生活も、生き方も人間関係も、健康もすべてにわたって特筆すべきことのない

変化の無かった年だった。

悪く言うと「停滞」した。よく言うと、「確実に積み上げた」のだ。

さて2014は???

スタートからチト違う気がする。 まず、健康に対する意識が高くなったね!?

自主的に筋トレを始めた。 そして周りに勧められ、初めての健康診断へも年明け早々行ってきた。

長生きしたいというよりも、いつまでも元気で仕事続けたいしね。

「夢半ばで病に倒れるっ!!」なんてことになると悲しい。

夢はなにかって?? まだ言わない~~~!!!っ。(^v^)

本年もよろしくお願いいたします。
# by seijitsushimi | 2014-01-06 20:50

岩手~農家さんたちの懇親会に参加してきました。

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年に一度の訪岩手。10月15、16と伺ってまいりました。

大好きな松原宏樹さんと1年ぶりの再会です。

今回の訪問は私にとって大きな楽しみがありました。

数日前に行われた収穫祭の打ち上げを日ごろお世話になっている農家さんたちが集まって

行われる席に招いていただけたのです。 すごい楽しみ(*^_^*)

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まずは夜の宴の前に、いつものように顔なじみの農家さんの畑にお邪魔しました。

大菅さんはTSU・SHI・MIのメニューでもおなじみ、根野菜のスペシャリスト。

もセロリアックの出荷が始まりました。

昨年よりも出来はよく、大きくなりそうです。
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路地ものながら葉も茎も美しくすごくいい状態でした。

楽しみだね~。
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今年も大菅夫妻の元気なお顔拝見できました。
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このキャベツは奥様のスペシャリテ。

”雪の下キャベツ”

これからこのキャベツたちは雪の下で冬眠し、味と甘みを凝縮します。出荷は来春予定です。



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大げさではなく、これから冬を迎えると30cm~40cmの雪がキャベツの上に積もります。

この雪の下キャベツは、毎年使わせていただいていますが、包丁を入れるとじゅわ~っと

水があふれ出るくらいみずみずしくて柔らかいキャベツです。

大菅さんのキャベツを一度使うと、ほかのキャベツが使えなくなるくらいです。

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紫ニンジンとアスパラ、伝統野菜の赤い長い蕪(名前忘れた)。
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これがその赤い長い蕪。 土と気候がいいんですね。 果肉はパンパンにはって、

葉もすごくおいしそうです。

聞くところによると、地元の人たちは、大菅さんに「葉っぱは邪魔だから落としてくれ」

と言うそうです。

炒めたり、漬物にしたり・・・。 本当においしいのにねぇ。




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さて、次は・・・。 今回お邪魔した中では最若の澤口さん。 まだ、就農されて年月は浅いですが、

伝統野菜、いわゆる「固定種」を中心に育てています。

が、ゆえに、正直、いまだ納得のいく野菜ができていないそうです。

「固定種」は、文字通り、長い間その土地の気候風土によってはぐくまれた地場野菜。

なので、逆に言うとその土地に馴染んでうまく循環していくには、ある程度の年月がどうしても必要に

なってきます。

畑にはたくさんの、一度聞いたくらいでは覚えられないような名前の伝統野菜がひしめきあっておりました。

4人の娘さんを育てながら、奥様とともにただひたすらおいしくて安全な野菜を育てるために

「土」と向き合う。 いいなぁ。

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実は都志見も今、この「固定種」にとても関心があります。

TPPの問題もあり、日本の野菜をブランド化し、世界に向けて自信を持って売っていけるのは、

まさにこの日本の「伝統野菜」なんです。

で、澤口さんとしばし「固定種」談議・・・。



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畑をあちこち廻り、一度退散、そして、今回のメインイベントである、農家さんたちとの

懇親会に参加させていただきました。

農家さんたちの中には名前は知っていてもお会いしたことのない方々もおられ、

ぜひ今回はお会いして、野菜のお話をあれこれと伺いたいと考えます。

仕方のないことだけど、やはりご高齢者の方が多いですね。

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懇親会の開会のあいさつをする、松原さん。彼は私の好みや、必要としているものを熟知している

いわば、私の野菜のコーディネーター。 スーパー農家取締役です。(笑)

農家の皆さんからの信頼は絶大です。

彼の後、私もあいさつをさせていただきましたが、前夜ほとんど寝ておらず、寝ぼけており、何をしゃべっ

たか覚えておりません。

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この日出されたお料理は、地元の野菜を使ったもの中心で、とてもおいしかったです。

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私は乾杯の後、すぐさま、ビール片手にテーブルを回り、お一人ずつといろいろなお話を

伺いました。

みなさん、一応に、農業が、野菜作りが大好きで、現在でもいろいろな新しい野菜作りにチャレンジして

おられます。



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語る。語る。みなさんそれぞれが野菜について熱く語られます。


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「私が○○○よ~。」  と、初めて名前と顔が一致する瞬間。感動です。


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雫石のアイドル 「中川栄子」さん。 中川さんの「おかのり」にはいつもお世話になっています。

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この何気ない記念撮影っぽい写真・・・・。 でも何気に私にとってはものすごい写真なんですよ。

何がすごいって、後ろの4人のご婦人たち。 この4人が何と四天王と呼ばれる方々。

この方々のおかげで私の今があり、私の料理があると言っても決して過言ではありません。

ここでは詳しくは申しませんが、見る限りのイメージと、この方々が作られる野菜とのギャップが・・・。

この4ショットはまさに奇跡ですね。 そこに私が入っているのは、もう・・・。感動です。



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私にとってはスーパー有名人農家さんたち・・・。 あの”もちきみ”やローザビアンカ作ってます。

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ここで、しばし独壇場となりました。 この方、実は天然専門で、春には山菜、秋にはキノコを採って30年

暮されているんです。 とにかく山にあるもので食べられるもので知らないものはないそうです。

なんでもふつうの人では帰ってこれないところあたりまで行くそうです。

この日焼け方が本物感を醸しています。


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何と時期になると50キロほどの山菜を背中に籠をしょって山を歩くらしく、

その肩にはその籠紐の跡が痛々しく・・・。 職人魂だね。

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最後に松原さんのお父上と今回初対面でした。左が南部かしわ地鶏を育てる会社の社長さん、

左が松原大御所です。

と、いうわけで、今回は私が勝手に訪岩手の日取りを決めて年に一度のご挨拶と考えて

おりましたが、どうやらそれに合わせてこの会が開かれた様子でした。

本当にうれしい限りで、松原さんはじめ、みなさんの温かい気持ちに触れながら、

プロの農家さんのぶれないどっしりと構えた職人魂にしばし触れることができました。

あらためて、日本の農業はまだまだ捨てたもんじゃない。年は重ねてもこんなにパワフルな

農家さんたちがここにもいる。

私は一足お先に失礼したが、この後何と12時過ぎまでこの宴は続いたそうな。

翌朝は例の大型台風直撃で、みなさんの畑は大丈夫だっただろうか・・・?

皆様本当にありがとうございました。

あなたたちがお元気でいらっしゃる限り、私の料理は永遠に不滅です。(*^_^*)

以上
# by seijitsushimi | 2013-10-17 13:47